ズワイガニの王様「越前がに」の漁が毎年11月6日に解禁(漁期は翌年3月20日まで)。福井県の港に水揚げされるズワイガニのブランド名が「越前がに」で、雌はセイコガニと称されています。ブランドマークの入った黄色いタグ付きのカニが、「越前がに」の証です。
唯一の皇室献上がにが「越前がに」
ズワイガニの中の王様と呼ばれ、関西や名古屋・中京圏ではそのブランドが広く知れ渡った「越前がに」ですが、実は唯一の皇室献上がににもなっていて、大正11年から三国港で水揚げされる越前がにが献上されています。
黄色いタグ(正式名は標識票)が越前がにの証ですが、実は全国で定番となったタグを付けるのも、平成9年にセリ前の越前がにタグを取り付け、ブランド化したのが始まりです。
タグ(標識票)の裏には、越前漁港、三国港を筆頭に、敦賀港、小浜港などが越前がにの水揚げ港の名が記されています。
通が、なぜ越前港の水揚げかににこだわるかといえば、越前がにの味の決め手は、何といっても鮮度で、漁場である荒波打ち寄せる越前岬にもっとも近いのが、この越前港だから(三国港も同様に三国港沖や石川県との県境など近海が漁場です)。
「越前町で越前がにを食べずに、越前がには語れない」(越前町観光連盟)というもの、この漁場への近さゆえのこと。
越前がには甘くひきしまった肉質で知られますが、平成27年からは最高級ブランドの「越前がに極」も登場。
重量1.5kg以上(水揚げ時)、甲羅幅14.5cm以上、爪幅3cm以上の基準を満たした越前がにのみに「越前がに極」専用のタグが取り付けられますが、なんとその割合は全体の0.05%しかありません。
過去には1杯50万円で競り落されたというほど希少価値のかになので、少し手の届かない存在に。
平成30年には、新たに農林水産省が進めている地理的表示保護制度(GI)にかにとしては全国初の登録も。
2月中旬頃から、カニの産地ならではの味覚のひとつ「ミズガニ」「ズボガニ」と呼ばれるカニが出回りますが(オスのズワイガニの脱皮して間もないカニと推測されています)、2月中旬~3月に越前町や三国港周辺に宿泊したなら、「ミズガニ」「ズボガニ」の注文を。
ちなみに、ズワイガニは、産地により様々な名称があり、福井県では「越前がに」と呼ばれますが、山陰では「松葉がに」、丹後の一部では「間人がに」(たいざがに)、石川県では「加能がに」と呼ばれます。
同様にメスガニも、福井県では「セイコガニ」と呼びますが、同じ北陸でも富山県や石川県では「コウバコガニ」と呼ばれています。
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