真勝寺

真勝寺

福岡県柳川市にある真宗大谷派の寺、真勝寺。関ヶ原合戦後、石田三成を捕縛(ほばく)する手柄を立てた田中吉政(たなかよしまさ)が家康から筑後一国を与えられ、柳河城(柳河=柳川の旧名)に入城し、柳河の基盤を整備していますが、田中吉政が深く帰依し、2代藩主・田中忠政が伽藍を整備したのが真勝寺です。

本堂自体が田中吉政の墓

柳河藩藩祖といわれ、同じ柳河の福厳寺(黄檗宗)に眠る立花宗茂(たちばなむねしげ)ですが、関ヶ原合戦で西軍に与したため、改易、浪人となり、奇跡的に旧領を回復するのは元和6年(1620年)のこと。
その間、藩主だったのが近江国高島郡田中村(現・滋賀県高島市安曇川町田中)と伝わる田中吉政で、豊臣秀次の家老時代には近江八幡(現・近江八幡市)の町割りを行ない、三河岡崎(現・愛知県岡崎市)時代にも岡崎の城下町整備に手腕を発揮しています。
関ヶ原の戦いでは東軍で、石田三成を捕縛し、柳川城32万石を与えられ、国持ち大名となったのです。

田中吉政は、柳川城を大がかりに修築、さらに久留米柳川往還の整備、慶長本土居と呼ばれる干拓堤防の築堤など、基盤整備に取り組んでいます。
江戸参府途中の慶長14年(1609年)、伏見で没し、藤吉村(柳川市三橋町藤吉)に埋葬され、その場所に大屋小路にあった真教寺(現在の真勝寺)が移転したため、本堂・内陣に祀られる本尊・阿弥陀如来像の真下に墓石があり、本堂自体が墓所となったもの。
墓石は、本堂の北側から床下を通って参拝できる仕組みで、拝観を申し出る必要があります。

本堂内には東本願寺教如(きょうにょ)から下付された旨の裏書がある「親鸞聖人真向き御影」があります。

境内は、大林宣彦監督の映画『廃市』(はいし/昭和58年公開、主演・小林聡美)のロケ地となっています。
『廃市』は、「水の都イタリアのヴェニスに比類されるわたしの故郷」という福永武彦原作の小説の映画化です。

門前には、同じ、真宗大谷派の正応寺、光善寺、浄勝寺が建っていますが、往時は真勝寺境内にあった塔頭(たっちゅう)で、寺町を構成し、有事の際の城下東南部の防衛を担っていました。

真勝寺
名称 真勝寺/しんしょうじ
所在地 福岡県柳川市新町5-10
電車・バスで 西鉄柳川駅から徒歩15分
ドライブで 九州自動車道みやま柳川ICから約10km
駐車場 三柱神社駐車場(80台/有料)など周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 真勝寺 TEL:0944-73-2239
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
福厳寺

福厳寺

福岡県柳川市にある黄檗宗(おうばくしゅう)の寺で、旧柳河藩主立花家の菩提寺が福厳寺(ふくごんじ)。柳河藩の藩祖・立花宗茂(たちばなむねしげ)ら歴代の藩主がここに眠っています。本尊は釈迦如来。もともとは曹洞宗でしたが、柳河藩3代藩主・立花鑑虎

 

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