「北九州の台所」と呼ばれる北九州市小倉の市場が旦過市場(たんがいちば)。大正の初め、神嶽川(かんたけがわ)を上る伝馬舟(てんません=艀・はしけ)が玄界灘で揚がったイワシを販売したのに始まるという歴史ある市場。海産物を中心に、野菜・果物、惣菜、精肉、乾物など150軒ほどがアーケード下に並んでいます。
小倉らしい「ぬか味噌だき」専門店も
寿司、おでん、うどんなどの飲食店も入居。
昭和レトロの雰囲気を残しているため映画『初恋』(宮﨑あおい主演・塙幸成監督/平成18年)のロケ地にもなっています。
「小倉かまぼこ」は、大正9年に旦過市場内に創業した老舗。
旦過市場の名物カナッペを販売しています。
活魚の「吉勝」も地元料亭御用達の老舗。
小笠原藩伝承の味「いわしのぬか味噌炊き」(鰯のぬか炊き)、吉勝特製の合わせ酢を使った「さばの棒寿司」が人気です。
「ふじた」は有機米のぬか床を使った「ぬか味噌だき」の専門店です。
こうした小倉らしい専門店が多いのも旦過市場の魅力で、そのために料亭など、プロの利用も多い市場となっているのです。
「大學堂」でご飯を注文(丼で提供されます)し、魚屋で好みの食材をのせればオリジナルの「大學丼」が完成します。
「大學堂」に戻ってこれを食すというのが旦過の名物になっています(釧路の和商市場で行なわれているシステムで、それを真似たものと推測できます)。
アーケード商店街発祥の地という魚町銀天街(うおまちぎんてんがい)と小文字通りを挟んで連続するので、小倉駅小倉城口(南口)から魚町銀天街を通り抜けて旦過市場へというお買い物散歩を楽しむことができます。
ちなみに旦過という風変わりな名前は、小倉藩初代藩主・小笠原忠真の父・小笠原秀政が慶長19年(1614年)、信州・松本に創建した禅寺、臨済寺(後の宗玄寺)に由来。
寛永9年(1632年)、小笠原氏の小倉藩への転封に伴ない馬借(現・妙見町)に移り、門前に、雲水の宿泊所「旦過寮」ができたこと、あるいは宿泊した雲水達が朝早く(旦)に旅たったことが旦過という地名の由来(禅宗由来の地名)。
魚町銀天街も藩政時代からの商店街「魚町筋」にあたり、その後、鮮魚関係の店などが神嶽川沿いに移ったのが旦過市場の始まりです。
旦過市場 | |
名称 | 旦過市場/たんがいちば |
所在地 | 福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-18 |
関連HP | 旦過市場商店街公式ホームページ |
電車・バスで | 北九州高速鉄道(北九州モノレール)旦過駅から徒歩すぐ。または、JR小倉駅から9分 |
ドライブで | 北九州都市高速勝山ランプから約1km |
駐車場 | 勝山公園有料駐車場(15台/有料)・市営天神島駐車場(310台/有料)など周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 旦過市場事務局 TEL:093-521-4140/FAX:093-953-7180 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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