福岡県大牟田市、西鉄大牟田駅東口の目の前に建つのが、大牟田市役所本庁舎旧館。三池炭鉱の採炭で栄えた昭和11年に建築された鉄筋コンクリート4階建の庁舎建築で、正面中央部には5層の塔屋を有して、印象的。国の登録有形文化財に指定されています。
昭和戦前期の地方庁舎建築として貴重な存在
大牟田市役所の旧庁舎が昭和8年5月の火災で焼失したため、同じ場所に建設されたのが、現存する大牟田市役所本庁舎旧館。
建設に当たっては大阪府庁舎(大正15年築)、京都市庁舎(昭和2年築)、名古屋市庁舎(昭和8年築)という先進都市の調査と、51回の検討会議が行なわれ、ようやく「近世式鉄筋コンクリート四階建」に決定、昭和9年10月に工事が始まっています。
人口10万人(全国33位)の大牟田市が、10倍以上の人口のある大都市の庁舎を調査対象にしたのは、それだけ石炭産業が繁栄していた証です。
外壁も現在とは異なって、当初は、1階部分が人造石、2階以上はスクラッチタイル貼りで、内部も漆喰仕上げという豪華版でした。
塔屋部分には展望室を有していますが、三池港に入港する船舶を見る、あるいは入港する船舶から見えることを意図していたのかもしれません。
建物の中央に塔屋をのせ、シンメトリーにつくるのは、当時の庁舎としては珍しくはありませんが、現存するのは少なく、昭和19年と昭和20年の空襲で、大牟田市内は焼け野原となっていますが、戦火にも耐え抜いた貴重な建造物として現存しています。
戦時中の防火用水槽も本庁舎中庭に現存、さらに防空監視哨(屋上南側)、高射銃の台座(屋上北側)なども残されています。
庁舎の内部の見学を希望する場合は、見学希望日の1週間前までに企画総務部公共施設マネジメント推進課に申請書を提出する必要があります。
大牟田市役所本庁舎旧館 | |
名称 | 大牟田市役所本庁舎旧館/おおむたしやくしょほんちょうしゃきゅうかん |
所在地 | 福岡県大牟田市有明町2-3 |
関連HP | 大牟田市公式ホームページ |
電車・バスで | JR・西鉄大牟田駅から徒歩4分 |
ドライブで | 九州自動車道南関ICから約13km |
駐車場 | 来庁者駐車場(有料)を利用 |
問い合わせ | 大牟田市公共施設マネジメント推進課 TEL:0944-41-2557 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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