富士山を知るためにも、まずは富士山本宮浅間大社に参拝

古代から日本人は富士山を神と崇めてきました。
世界遺産となった富士山が自然遺産ではなく、文化遺産なのはある意味当然のことなのです。
そんなことを頭に入れて、浅間神社(せんげんじんや)の総本宮である富士山本宮浅間大社(富士宮市)に参拝しましょう。

富士山本宮浅間大社創建は神代に遡る!

富士山の8合目以上は、実は富士宮市街にある富士山本宮浅間大社の境内。富士山頂には奥宮が祀られています。
富士山本宮浅間大社は、全国に1300社ある浅間神社の総本社。
「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つですが、むしろこの社が富士山信仰の中心といっていいでしょう。
富士登山や周辺を旅する際に、この社に参拝しないで登ったり、周遊することは、以前では考えられないことでした。

富士山本宮浅間大社の社伝(『富士本宮浅間社記』)によれば、垂仁天皇3年(紀元前27年)に富士山の噴火を鎮めるために浅間大神を「山足の地」に祀ったのが創始といいます。
山足とは山裾のことですが、その場所がどこなのかは定かでありません。

続いて景行天皇40年(西暦110年)、日本武尊が東征の際に山宮の地に磐座(いわくら)を定め、浅間大神を遷座して祀ったと伝えられます(現・山宮浅間神社)。
「山足の地」が噴火で荒廃し、山麓の森に遷したというのが真相のようです。
大同元年(806年)、平城天皇の命により坂上田村麻呂が現在の大宮の地に社殿を造営しました。
富士山本宮浅間大社宮司の渡邉新氏によれば、
「杜(もり)は社(やしろ)の原型で、杜(森)が神様の住まうところ」とのこと。
つまり、富士山麓の緑豊かな杜(森)に磐座や社殿を構えたのです。

富士山本宮浅間大社本殿
富士山本宮浅間大社の本殿。国の重要文化財。拝殿も同じく二重の楼閣造で、富士の高嶺にお供え物を高く掲げるために2階建てになったとも

祭神は水の精でもある!

『富士本宮浅間社記』に記載された、富士山本宮浅間大社の創建の歴史は、神代の時代のこと、史書による裏付けはありません。
歴史に登場する富士山の噴火も『続日本紀』天応元年(781年)のこと。
仁寿3年(853年)の従三位の神階奉授もあるので、少なくとも平安時代以前から富士山鎮護のために浅間神が祀られたことがわかります。

富士山本宮浅間大社の祭神は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)。
木花(このはな)は桜を意味し、「木花之佐久夜毘売は桜花爛漫を表している」(富士山本宮浅間大社宮司・渡邉新氏)のだとか。
木花之佐久夜毘売命は水の精でもあり、荒ぶる富士山を水で鎮めるという意味合いもあるのです。
富士山本宮浅間大社の境内にもる富士山からの湧水が湧き出す湧玉池(国の特別天然記念物、平成の名水百選)があり、一級河川・神田川の源流になっています。

湧玉池・神田川源流
一級河川・神田川の源流でもある湧玉池
富士山本宮浅間大社
施設名 富士山本宮浅間大社/ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ
住所 静岡県富士宮市宮町1-1
関連HP 富士山本宮浅間大社公式ホームページ
電車・バスで JR富士宮駅から徒歩15分
ドライブで 新東名高速道路新富士ICから約8km
駐車場 150台/有料、5:00〜19:00(出庫は24時間可能)、流鏑馬祭(5月4日〜5月6日)・例祭(11月3日〜11月5日)・1月1日〜1月3日は臨時駐車場を利用
問い合わせ 富士山本宮浅間大社 TEL:0544-27-2002/FAX:0544-26-3762
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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