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太田宿・太田の渡し跡

太田宿・太田の渡し跡

岐阜県美濃加茂市にあるのが太田宿・太田の渡し跡。中山道(なかせんどう)の三大難所のひとつで「木曽の桟、太田の渡し、碓氷峠がなくばよい」と俗謡にもある急流・木曽川を越える、太田の渡し(渡船場)。太田橋のすぐ下流が太田の渡し跡。川に向かって伸びる石畳の道も残されています。

中山道三大難所に数えられた木曽川の渡河

歌川広重『木曽海道六十九次』太田

渡し場は、太田宿の発展や洪水などによる河川状況の変化で、 宿場の近くから次第に上流へと何度も移転を続けましたが、木曽川の渡し船は、昭和2年2月20日に太田橋(現存、土木学会選奨土木遺産)が完成するまで利用されていました。

十返舎一九の滑稽本『道中膝栗毛』の文化11年(1814年)に刊行された『木曽街道続膝栗毛五編上』には、弥次郎兵衛と喜多八(弥次・喜多)にふたりが、木曽川の増水で、渡り賃を余分に取られてしまうシーンが記されています。

明治34年には、従来の渡船から岡田只治が新しい渡船技術として岡田式渡船(両岸を渡すワイヤーと滑車により船を誘導する方式)を創案し、ようやく安全を確保。

「木曽の桟、太田の渡し、碓氷峠がなくばよい」と謳われたのは、増水すると川留めになるため、旅の日程が読めず、余分な出費が強いられるため(同様に東海道にも大井川という難関がありましたが、ともに徳川幕府の軍事的な配慮からあえて架橋しませんでした)。

大正15年架橋の太田橋下流の渡し場の周辺は、平成6年に河床から大規模な珪化木群が発見され、化石林公園として整備されているので見落とす心配はありません。
渡った先の可児市(かにし)側では、今渡の渡し場と呼んでいますが、木曽川渡し場遊歩道が整備され、やはり石畳が現存。

承久3年(1221年)におきた承久の乱で、鎌倉幕府軍と後鳥羽上皇軍が戦った「大井戸の渡」は、現在の太田の渡しあたりと推測されています。

太田宿・太田の渡し跡
名称 太田宿・太田の渡し跡/おおたじゅく・おおたのわたしあと
所在地 岐阜県美濃加茂市御門町
電車・バスで 名鉄日本ライン今渡駅から徒歩13分。または、JR美濃太田駅から徒歩22分
ドライブで 東海環状自動車道美濃加茂ICから約7km
駐車場 化石林公園駐車場(55台/無料)
問い合わせ 美濃加茂市産業振興課 TEL:0574-25-2111/FAX:0574-27-3863
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

太田宿・本陣跡

岐阜県美濃加茂市太田本町にある中山道の本陣の跡が太田宿・本陣跡。現存する遺構は、福田家が務めた本陣の立派な門のみで、文久元年(1861年)、皇女・和宮が14代将軍・徳川家茂に嫁ぐために下向した際に建てられたもの。元は、本陣の西正門であったも

木曽の桟

危ういものの代名詞として歌枕としても知られる木曽の桟(きそのかけはし)。 長野県木曽郡上松町の木曽川沿いに続く、中山道(なかせんどう)の難所。松尾芭蕉の「桟橋や命をからむ蔦葛(つたかずら)」(『更科紀行』)など、多くの文人によって歌が詠まれ

旧碓氷峠

長野県軽井沢町と群馬県安中市松井田町の県境に位置する峠が旧碓氷峠(きゅううすいとうげ)。江戸時代、中山道の難所として、東海道の箱根の険とともに並び称されたのが、旧碓氷峠です。現在、軽井沢町の旧軽井沢側から車道、ハイキングコースが通じているの

太田橋

岐阜県美濃加茂市と可児市の間を流れる木曽川に架かる国道248号旧道の橋が太田橋。昭和2年2月20日に開通(渡橋式を挙行)した全長218.0m、幅員6.4mのワーレントラス橋で、土木学会選奨土木遺産に登録。江戸時代には中山道の難所、太田の渡し

御代桜醸造

岐阜県美濃加茂市、中山道(なかせんどう)・太田宿の中心で明治26年創業という老舗の酒蔵が御代桜醸造(みよざくらじょうぞう)。明治時代、木曽川を下る筏乗り(いかだのり)や街道を行き交う旅人に愛されたという歴史を有する老舗の酒蔵です。代表銘柄は

日本ライン

岐阜県美濃加茂市から坂祝町、可児市(かにし)を経て各務原市(かがみがはらし)、愛知県犬山市に至る木曽川の流れが日本ライン。『日本風景論』の著者で地理学者・志賀重昂(しがしげたか)が、大正3年、木曽川の川下りを楽しみ、その景観がライン河に似て

旧太田脇本陣林家住宅

岐阜県美濃加茂市、中山道(なかせんどう)の宿場町で、木曽川対岸の今渡への渡し場であった太田宿。江戸時代、太田宿の脇本陣を務めたのが林家で、街道時代の建物が旧太田脇本陣林家住宅です。尾張藩太田代官の指揮下で宿場の行政事務も司り、家業として質商

 

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