岐阜県岐阜市、岐阜市街の中心、長良川の南に聳える標高328.8mの山、金華山(きんかざん)。かつては稲葉山と呼ばれていた山は濃尾平野を一望にする天然の要害で、中世には稲葉山城が建っていました。岐阜公園から、ぎふ金華山ロープウェーを使えばは3分間の空中遊泳で、金華山山頂、岐阜城入口。
金華山ロープウェー、登山道で山上の岐阜城へ
金華山は2億6000万~約2億3000万年前 にできたチャートと呼ばれる固い石が長良川などに浸食されて残された頂。
0.1mm程度の放散虫の死骸が海底に降り積もってできた硬い堆積岩(厚さ1mm堆積するまでに1000年以上必要)で、古生代のペルム紀後期(2億6000万年前)から中生代の三畳紀中期(2億3000万年前)にかけて赤道付近の南半球で堆積したものだと推測されています。
そのチャートの層が海洋プレートにのって北に移動し、隆起、侵食されて残った部分というわけなのです。
そんなダイナミックな地球の営みを背景に、平野から眺めると高山のようにそそり立ち、戦国時代には天然の要害として稲葉山城が築かれました(江戸時代に、徳川家康が加納城を築いて稲葉山城は廃城に)。
国の史跡となる岐阜城跡は、斎藤道三が築き、織田信長が修築した金華山山上の城郭部分と山麓の居館部分の全体、209haです。
つまり、チャートの岩山からなる自然地形に石垣、曲輪(くるわ)などの遺構が散在。
山上部に多数の曲輪(天守台、上台所、下台所、太鼓櫓、煙硝蔵)、3ヶ所の虎口(一ノ門、二ノ門、裏門)がありました。
金華山には、椎(ツブラジイ=ブナ科の常緑広葉樹)の原生林やシダ類の群生など豊かな自然が残され、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロなど60種類以上の鳥類が生息。
金華山の山名の由来は、5月上旬にツブラジイの花が咲くと山全体が黄金色に染まることに由来。
藩政時代には天領として、戦前は宮内省の御料林、戦後は国有林として保護されてきました。
岐阜公園から金華山ロープウェーを使うのがもっとも一般的ですが、夕陽丘入口(岐阜公園南側)、岩戸公園入口(岩戸公園北側)から金華山ドライブウェイを使えば、途中の金華山展望公園にある金華山ドライブウェイ展望台から長良川を眼下にできます。
ただし観光天守の岐阜城などの建つ山頂部には通じていないので、山頂部に行くには金華山ロープウェーを利用するか、登山道を歩くことに。
金華山ロープウェー山頂駅に隣接してリス村があるほか、石段や坂のある山道を10分ほど歩けば岐阜城に到達します。
途中、「道三・信長ゆかりの岐阜城」の看板がある場所からは、長良川を眼下にするビュースポットです。
金華山をハイキング
気軽にハイキングが楽しめる金華山の登山道は、岐阜公園からは初心者・ファミリー向けの「七曲登山道」(1.9km、1時間)、「めい想の小径」(2.3km、1時間/烏帽子岩で馬の背登山コースと分岐)、やや体力を要する中級向けの「百曲登山道」(1.1km、50分)、ロープウエイの北側を直登する最短ですが体力を有する「馬の背登山コース」(1.1km、40分/烏帽子岩でめい想の小径と分岐)の4コースがあります。
「七曲登山道」は、かつての大手道(登城路)、「めい想の小径」が水手道にあたります。
「七曲登山道」は、クネクネと登りながらも、かつての登城路だけに歩きやすい道が続きます。
「馬の背登山コース」には険しい岩場もあるのでファミリーには不向きですが、稲葉山城の難攻不落ぶりを実感するにはおすすめの道です。
金華山 | |
名称 | 金華山/きんかざん |
所在地 | 岐阜県岐阜市天主閣 |
関連HP | 岐阜観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR岐阜駅・名鉄新岐阜駅から岐阜バスまたは、名鉄バス長良橋方面行きで15分、岐阜公園歴史博物館前下車、さらにロープウェイで約3分 |
ドライブで | 東海北陸自動車道岐阜各務原ICから約12km。または、一宮木曽川ICから約13.5kmで岐阜公園堤外駐車場 |
駐車場 | 岐阜公園堤外駐車場第1(143台)・第2(36台)/1時間まで無料、以降有料 |
問い合わせ | 岐阜観光コンベンション協会 TEL:058-266-5588 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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