『愛知万博』の「グローバル・トラム」が、錦川鉄道「とことこトレイン」に!

とことこトレイン

2005年日本国際博覧会『愛知万博』(愛・地球博)の会場内交通として人気だった乗り物が「グローバル・トラム」(期間中110万人を輸送)。あまり知られていませんが、ナガシマスパーランドで運用後、山口県の錦川鉄道で2編成が「とことこトレイン」として20年後の現在も現役で活躍しています。

「未成線・廃線跡」が「とことこトレイン」活躍の場

とことこトレイン
「きらら夢トンネル」走行中の「とことこトレイン」

『愛知万博』(愛・地球博)の「グローバル・トラム」は、空中回廊のグローバル・ループ(2.6km)上に設けられた4つの停留所を結んで5編成が運行された電気自動車。
3台を連結して運転のためトラムと称されていましたが、時速はわずかに5km/h、しかも歩行者の移動ルートであるグローバル・ループ上を走行ということもあって、係員がその前を歩いて歩行者に避けるようにお願いしていました。

『愛知万博』(愛・地球博)が終了後は、三重県桑名市長島町の「ナガシマスパーランド」で「ナガシマリゾートトラム」として運行しましたが、錦川鉄道(にしきがわてつどう)に2編成が譲渡され、2代目の「とことこトレイン」として活躍しています。

錦川鉄道は、岩国市で、JR西日本の岩日線を譲り受け、錦川清流線を運行する3セクの鉄道会社ですが、「とことこトレイン」が運行するのは、建設が中止された岩日北線の錦町〜雙津峡温泉(そうづきょうおんせん)間です。
岩日北線は路盤が完成しているにもかかわらず、営業化されることがなく廃線となった典型的な未成線ですが、その強固な路盤を利用し、「とことこトレイン」を走らせているのです。

『愛知万博』(愛・地球博)のグローバル・ループの代わりが廃線跡ということに。
当然、鉄道事業法に基づく鉄道ではなく、岩日北線記念公園上を走る遊具(ロードトレイン)の扱いです。

しかも途中の「きらら夢トンネル」は、光る蛍光石で装飾され、星空の演出も。
片道45分、「未成線・廃線跡」の旅を楽しむことができます。

それでも『愛知万博』(愛・地球博)から20年を経た現在でも、まだ現役で走る「グローバル・トラム」、ご長寿トラムといえるのではないでしょうか。
ちなみに『愛知万博』(愛・地球博)では、「空中回廊の中心を走行する演出に富んだ乗り物」で、製作は佐野車輌製作所(大阪府富田林市)。

とことこトレイン
『愛知万博』の「グローバル・トラム」が、錦川鉄道「とことこトレイン」に!
所在地 山口県岩国市錦町広瀬〜錦町深川
場所 とことこトレイン錦町町駅〜とことこトレイン雙津峡温泉駅
関連HP 錦川鉄道公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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