群馬県渋川市に湧く、伊香保温泉。その最上部に鎮座する伊香保神社から徒歩10分、温泉街の最奥、伊香保露天風呂脇にある第2号源泉湧出口を見学できるのが源泉湧出口観覧所。湧出量毎分4627リットルという源泉(硫酸塩泉)が勢いよく噴出する様子をドーム型のガラス越しに眺めることができます。
伊香保温泉の源泉近くにはベルツ博士の像も
鉄分を含み茶色い湯で知られる伊香保温泉ですが、実は湧き出したばかりの湯は酸化していないので無色透明。
旧来からの伊香保温泉の源泉は、黄金の湯(こがねのゆ)で、泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)。
伊香保温泉の源泉周辺は猿沢と呼ばれる小さな沢で、広重の『伊香保八景 さる沢の猿』(天保年間刊行)にも描かれた名所です。
江戸の昔にはこの沢に多くの猿が棲んでいたとのこと。
すぐ近くにはラドン発見の碑も立っています。
キュリー夫人がラジウムを発見した11年後の明治42年夏、東京帝国大学眞鍋嘉一郎医学士(のちの第1回日本医学放射線学会会長)、石谷傳一郎理学士はこの地にテントを張って研究し、ついに温泉中にラドンを発見したのだです。
それが日本におけるラドンの最初の発見。
また、明治10年、お雇い外国人のベルツ博士(エルヴィン・フォン・ベルツ/Erwin von Bälz)は、木暮八郎経営の「楽山館」に宿泊(当時は源泉近くに蒸し湯がありました)。
伊香保温泉の旅館の主人などに飲泉などを指導し(源泉近くの飲泉施設は日本最初のものともいわれています)、ドイツのバーデン・バーデンやフランスのエビアンを想定して、木暮旅館の八千代公園が建設されました。
ベルツ博士というと、草津温泉との関係が有名ですが、草津を訪れるのは明治11年頃。
ベルツ(別爾都)著『日本鑛泉論』は、伊香保温泉での研究がベースになっています(伊香保温泉をモデルに日本の温泉地の改善を論じたもの)。
というわけで近くには「若き日のベルツ博士」像が立っています。
ベルツ博士は、明治9年、お雇い外国人として東京医学校(現・東京大学医学部)の教師に招かれていますが、伊香保温泉にやってきた明治10年はまだ20代後半のこと。
源泉湧出口観覧所(伊香保温泉源泉) | |
名称 | 源泉湧出口観覧所(伊香保温泉源泉)/げんせんゆうしゅつぐちかんらんじょ(いかほおんせんげんせん) |
所在地 | 群馬県渋川市伊香保町伊香保湯元 |
電車・バスで | JR渋川駅から関越交通バス伊香保温泉行きで27分、終点下車、徒歩20分 |
ドライブで | 関越自動車道渋川伊香保ICから約11km |
駐車場 | 河鹿橋駐車場(18台/無料) |
問い合わせ | 渋川伊香保温泉観光協会 TEL:0279-72-3151 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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