群馬県嬬恋村、上信越高原国立公園にある雲上の湯、万座温泉(まんざおんせん)の源泉地帯は万座川と殺生沢にわたる広範囲にありますが、薬師神社下にある最大泉源の万座湯畑、万座高原ホテル下の万座地熱、そしてもっとも活発に噴気が上がる万座空噴(まんざからぶき)の3ヶ所が主な源泉です。
噴気活動のある万座温泉の泉源
万座空噴は、万座バスターミナル・万座温泉観光協会の奥にあり、周囲を歩く遊歩道が整備され、万座空吹展望台から活動中の噴気孔周辺の硫黄の露頭などを観察できます。
この万座空噴、雨水や地下水が浸透して水蒸気となり、硫化水素ガスとともに噴き出す場所。
音を立てて蒸気を出していたため、空噴という名が付きましたが、現在ではあまり音はしません。
これは、噴煙とか、噴気というものではなく、白根火山の地下水脈(熱水)が万座断層に沿って上昇し、噴き出したもの(草津温泉とそのメカニズムは同じです)。
しかも科学的な分析では、日本の酸性泉の平均値(30.7mg/L)の9倍近いマグネシウムが含まれており、周辺の岩石、土壌にマグネシウムの多い緑泥石が多いのが原因と推測する研究者がいますがまだ解明されていません。
「嬬取の湯」は噴気が水で凝縮され成分が非常に濃い温泉ですが、泉源には利用されていません。
「橘」は噴気が沢水に接触してできた天然の噴気造成泉ですが、こちらも利用はされず、そのまま沢に流れています。
なお噴気の強い空噴自体は、硫化水素の濃度が濃く、立ち入り禁止となっているので遊歩道を外れないように注意を(無風曇天時には谷間に火山ガスが滞留し、濃度が高くなる危険が、また喘息、気管支炎など呼吸器系の持病がある人も注意が必要です)。
ちなみに万座プリンスホテルの絶景温泉として知られる露天風呂「こまくさの湯」からはこの万座空噴を正面に見る設計に。
万座空噴 | |
名称 | 万座空噴/まんざからぶき |
所在地 | 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣 |
電車・バスで | JR万座・鹿沢口駅からタクシーで30分 |
ドライブで | 上信越自動車道碓氷軽井沢ICから約60km。関越自動車道渋川伊香保ICから約75km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 万座温泉観光協会 TEL:0279-97-4000 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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