群馬県邑楽郡(おうらぐん)板倉町には谷田川が流れ小さな沼も多く、水郷地帯を形成。関東随一ともいわれる水郷の景観を生かした公園が、群馬の水郷公園で、例年、春(5月~6月)、秋(9月~10月)の土・日曜、祝日には船頭が揚舟を竹竿1本でさばくという「揚舟谷田川めぐり」が運航されています。
利根川・渡良瀬川合流域の水場景観を楽しむ
一帯の606.5haは、「利根川・渡良瀬川合流域の水場景観」として、平成23年に関東地方では最初に国の重要文化的景観(文部科学省)に選定された場所です。
現在も、関東では、板倉町のほかは、葛飾柴又の文化的景観(東京都葛飾区/平成30年選定)が選定されているのみです。
「利根川・渡良瀬川合流域の水場景観」に選定されるなかで、10haの敷地に釣り場などが用意されるのが群馬の水郷公園。
「揚舟谷田川めぐり」ではアカメヤナギの古木が群生するヤナギ山を周遊します。
このアカメヤナギは、根腐れがないため繁茂すると川岸の貴重な土地が水に削られることが減少し、湿地において貴重な焚き木となる木だったため、大切にされてきました。
揚舟(あげぶね)は、洪水になると数日間は水が引かないため、水害時の移動手段として使われた舟。
船底は浅く、軽量化されており、普段は家の軒下に吊り下げられていたため、揚舟という名で呼ばれています。
渡良瀬遊水地の誕生、そしてカスリーン台風後に治水事業以降は、洪水の被害も大幅に減少し、揚舟を所有する家も改築や納屋を整理する際に保管場所などの問題で処分することが多く、今や幻に。
洪水の際の避難所である水塚(みつか)、増水時は川に沈む沈下橋とともに貴重な文化遺産になっています(現在では、高さ6mの鉄骨製洪水避難タワーが建てられています)。
水塚は、川の決壊に備え、堤防と同じ高さに盛り土し、1階は倉庫、2階は居住空間とし、町全体が水没した状態でも生活できる知恵です。
水郷文化を知りたくなったら板倉町文化財資料館で詳しく解説されています。
画像協力/ググっとぐんま観光宣伝推進協議会
群馬の水郷公園(揚舟谷田川めぐり) | |
名称 | 群馬の水郷公園(揚舟谷田川めぐり)/ぐんまのすいごうこうえん(あげふねやたがわめぐり) |
所在地 | 群馬県邑楽郡板倉町岩田2941-3 |
関連HP | 板倉町公式ホームページ |
電車・バスで | 東武板倉東洋大前駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 東北自動車道館林ICから約3km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 板倉町産業振興課産業振興係 TEL:0276-70-4040 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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