ガリバーは日本にやって来た!? 鳥羽に巨大ガリバー滑り台が!

巨大ガリバー滑り台

『ガリバー旅行記』(Gulliver’s Travels)のなかで、ガリバーの旅先に、実はひとつだけ実在する国があります。それが、第三篇に「空飛ぶ島」ラピュータなどとともに登場する日本です。当然、創作なので、ガリバーの足跡は国内に存在しませんが、なぜか三重県鳥羽市には、巨大ガリバー滑り台が!

当初は 「海洋パビリオン鳥羽ぶらじる丸」のデッキに設置

巨大ガリバー滑り台

『ガリバー旅行記』(Gulliver’s Travels)の初版が出版されたのは、日本が鎖国時代の1726年。
イギリスの作家、ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift)による風刺小説で、実はダニエル・デフォーが著した空想旅行記『ロビンソン・クルーソー』のヒットを真似、旅行記スタイルの空想旅行記を装って、イギリス社会を風刺、批判した小説です。

正式なタイトルは、かなり長く、『船医から始まり後に複数の船の船長となったレミュエル・ガリヴァーによる、世界の諸僻地への旅行記四篇』 (”Travels into Several Remote Nations of the World, in Four Parts. By Lemuel Gulliver, First a Surgeon, and then a Captain of Several Ships”)。

第三篇が『ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブおよび日本への渡航記』で、1709年5月21日、大きな島国であるラグナグ王国から出航、日本の南東にある小さな港町ザモスキ(Xamoschi)に上陸、さらに江戸で「日本の皇帝」に拝謁、踏み絵を躊躇しながら、ナンガサク(Nangasac)に護送され、6月9日、オランダ船でイギリスに帰国するという話です。

Xamoschiは、綴りがKannonsakiに似ていることから、横須賀市は「ザモスキは観音崎」としていて、残念ながら鳥羽の可能性はあまりありませんが、鳥羽港近くにある鳥羽市民の森公園に行くと、「ひょっとして鳥羽がXamoschi?」と思えるような光景に出会うことができます。

それが巨大ガリバー滑り台。
この滑り台があることで、鳥羽市民の森公園というよりも地元では「ガリバー公園」として有名。

高さ6m・幅12mの巨大なガリバーすべり台は、もともと昭和57年3月 「海洋パビリオン鳥羽ぶらじる丸」の後部デッキに設置されたもの。
「ぶらじる丸」(2代目)は、昭和29年、大阪商船が南米航路に運航した1万100tの貨客船で、移民輸送に活躍。
昭和48年9月に引退し、昭和49年7月1日から海上パビリオン「鳥羽ぶらじる丸」として営業。
昭和57年3月に、「鳥羽ぶらじる丸」のシンボル的な存在として(ガリバーは船医という設定)、後部デッキに設置されたのです。

昭和60年3月に鳥羽市民の森公園に寄贈されたということなので、実はかなりの年代物(鳥羽ロータリークラブの尽力で、きれいに塗り直されています)。
右腕が滑り台で、手のひらに着地する仕組み。

日本に来たガリバーは、別に巨人だったわけではないので、小人の国を旅した『第一篇 リリパット国渡航記』がモチーフということに。

ガリバーは日本にやって来た!? 鳥羽に巨大ガリバー滑り台が!
名称 鳥羽市民の森公園(ガリバー公園)/とばしみんのもりこうえん(がりばーこうえん)
所在地 三重県鳥羽市大明東
関連HP 伊勢志摩観光コンベンション機構公式ホームページ
電車・バスで JR・近鉄鳥羽駅からかもめバスで10分、市民の森下車すぐ
ドライブで 伊勢自動車道・伊勢二見鳥羽ライン伊勢ICから約14km
駐車場 50台/無料
問い合わせ 鳥羽市観光課 TEL:0599-25-1157
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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