縁日は、神仏との有縁(うえん)の日。つまりは祀られる神仏にゆかりのある日です。参道に並ぶ露店のことと誤解される場合もありますが、正しくは、縁のある日、そして縁を結ぶ日のこと。一説によれば「平生の1000倍のご利益がある」とも。1月の縁日は「初〇〇」として賑わうのです。1月3日は元三大師(良源)ゆかりの『初大師』。
元三大師(良源)は比叡山中興のスーパースター!
第18代天台座主(天台宗の最高の位)であり、比叡山延暦寺の中興の祖である元三大師(良源)は、永観3年1月3日(985年1月26日)入寂。正月3日に没しているので元三大師と呼ばれていますが、諡号(しごう=おくりな)は慈恵(慧)、つまりは慈恵大師です。中世に厄難消除(やくなんしようじょ)の信仰を集め、「角大師」((つのだいし)、「豆大師」「厄除け大師」と呼ばれています。
家の門口に張られている疫病厄災を除く角を生やした降魔像のお札が「角大師」です。良源が修法中に鏡に映った姿を弟子に写させてものなんだとか。
「おみくじ」を生み出したのも元三大師
ちなみに現在の寺社・仏閣で行われている「おみくじ」は良源が「元三大師百籤」が始まり。良源が観音菩薩に祈念して偈文(げもん)を授かった「元三大師百籤」が起源なのです。元三大師が如意輪観世音菩薩の化身であるといわれるところから、「観音籤」とも呼ばれました。
比叡山の堂舎のほとんどを再建し、天台教学を担う多くの弟子を育てるなどスーパースター的な活躍をした良源。その超人的な活躍は、権化の人・応化仏(仏や菩薩が衆生救済のため相手に応じていろいろな身体を現すこと)とも考えられ、観音菩薩の権化と捉えられています。平清盛は良源の生まれ変わりだと噂されたことも。
実際に『初大師』が行なわれるおもな寺は
喜多院(埼玉県川越市)では『初大師 だるま市』が執り行なわれます。
元三大師堂のある廬山天台講寺(廬山寺/ろざんじ/京都市上京区)では『初元三會』で角大師の護符も授与されます。
寺岡山元三大師(栃木県足利市)では1月1日〜1月7日が『ご本尊元三大師ご真筆ご開帳』で日本に3幅しか現存しない貴重なご本尊がご開帳されます。しかも1月3日には1年を通して、最もご利益の強い日として秘仏「降魔大師尊像」限定ご開帳も。
ちなみに空海の縁日である1月21日も『初大師』ですが、毎月3日は元三大師(良源)の縁日です。
元三大師の縁日は、毎月3日で、1月3日が『初大師』、12月3日が『納めの大師』となります。
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