兵庫県神戸市兵庫区熊野町に鎮座する平清盛ゆかりの社が、熊野神社。平清盛が福原遷都に際し皇城鎮護の神として勧請したのが当時宮中で信仰されていた熊野権現。地元では「夢野の権現さん」と江戸時代まで(神仏分離以前)の呼称が残されています。
福原京の皇城鎮護の神
平清盛は、承安元年(1171年)、政治的協調のため娘の平徳子(安徳天皇の母、建礼門院)を高倉天皇に入内させますが、後白河上皇と平清盛の間には、解消できない対立が生じていました。
後白河上皇は、歴代の上皇のなかで最多の34回の熊野詣を行なっていますが(平清盛の帯同も)、後白河上皇の福原入を睨んで、平清盛が自身も信仰する熊野権現を勧請したもの。
嘉応2年(1170年)に後白河上皇は平清盛のすすめる日宋貿易にも理解を深め、福原に行幸しているので、その前後には創建されていたと推測できます。
神社の本殿は、紀州の熊野権現(現在の=熊野本宮大社)と同じく巽(たつみ=南東)の方向を向いて建っています。
神仏習合時代には本地垂迹思想のもとで権現(仏や菩薩が仮=権に姿を変えて日本の神として現れる)でしたが、明治の神仏分離で伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉册命(いざなみのみこと)を主祭神に変えています。
夫婦神が祀られていることから、縁結びの神としても尊崇されています。
熊野神社(神戸市兵庫区) | |
名称 | 熊野神社(神戸市兵庫区)/くまのじんじゃ(こうべしひょうごく) |
所在地 | 兵庫県神戸市兵庫区熊野町3-1-1 |
電車・バスで | 神戸電鉄長田駅から徒歩17分 |
ドライブで | 阪神高速道路3号神戸線柳原出口から約3km。または、京橋出口から約4.9km |
駐車場 | 境内の駐車スペースを利用 |
問い合わせ | 熊野神社 TEL:078-511-2928 |
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