兵庫県姫路市香寺町にある土蔵造りの6棟に世界中から集めた160ヶ国の玩具資料9万点を収蔵するプライベートミュージアム。井上重義(いのうえしげよし)館長が収集した郷土玩具は、文化財としての価値もあり、日本の伝統人形、近代玩具、世界の民族玩具などとともに圧巻のコレクションになっています。
郷土玩具、近代玩具、世界の民族玩具などを体系的に学ぶ
雛人形(1000組)、世界のクリスマス玩具(3000点)、メキシコの民芸玩具(1500点)、中国の民間玩具(1000点)は日本玩具博物館の代表的なコレクション。
1号館は、企画展示室、2号館が常設展示室(日本の近代玩具) とプレイコーナー、3号館が常設展示室(伝統手芸の世界)、ミュージアムショップとプレイコーナー、4号館の1階は常設展示室「日本の郷土玩具」、2階が世界の民族玩具、5号館がらんぷの家、6号館は特別展示室です。
メインとなる日本の郷土玩具は、明治時代から現代に至る3万点もの膨大な郷土玩具資料を収蔵し、地域別、そして、祈りの玩具、からくり玩具、自然玩具などに分けて解説し、見応えがあります。
日本の近代玩具のコーナーでは、「ブリキ」できた玩具が輸入され始める明治時代の流行玩具、大正、昭和の玩具が展示解説されていますが、「玩具の大正デモクラシー」コーナーでは、大正時代は芸術性の高い児童雑誌が相次いで創刊され、情感豊かなデザインの玩具が目立つなど、世相の反映を知ることもできます。
「戦時中の玩具」、「戦後の駄菓子屋玩具」、「高度経済成長期の玩具」、「昭和後期から平成の流行玩具」という歴史の移り変わりは、必見の価値があります。
日本の伝統人形コーナーでは、幕末から昭和30年代ごろまでの雛人形約1000組と端午の節句飾り約300組を収蔵展示。
通勤途中に本屋で読んだ『日本の郷土玩具』が収集の出発点
地元、姫路市生まれの井上重義館長は、昭和32年、山陽電気鉄道に入社、14年間にわたってPR誌『山陽ニュース』の編集を担当していました。
昭和38年、通勤途中に本屋で斉藤良輔氏の著書『日本の郷土玩具』と出会い、郷土玩具の文化的な深みとそれが滅んでいく現状を知り、休日を利用して収集を開始。
当時、日本国内では、玩具や人形が博物館資料として扱われていない現状を痛感、昭和49年、自宅の一部を改造して私設博物館として日本玩具博物館の前身となる「井上郷土玩具館」を開館したのです。
45歳で会社を退職し博物館の運営に専念、土蔵造りの6棟からなる博物館に拡充し、昭和59年4月に日本玩具博物館に改称、名実ともに日本を代表する郷土玩具、郷土人形のミュージアムに育ちました。
昭和60年からは「ちりめん細工の復興活動」(ちりめん細工という言葉も井上館長の造語)にも尽力、稲取温泉『雛のつるし飾り』、柳川の『雛のさげもん』を支える活動になっています。
画像協力/兵庫県
日本玩具博物館 | |
名称 | 日本玩具博物館/にほんがんぐはくぶつかん |
所在地 | 兵庫県姫路市香寺町中仁野671-3 |
関連HP | 日本玩具博物館公式ホームページ |
電車・バスで | JR香呂駅から徒歩15分 |
ドライブで | 播但有料道路船津ICから約1.7km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 日本玩具博物館 TEL:079-232-4388 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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