飛騨古川きつね火まつり|飛騨市

飛騨古川きつね火まつり

毎年9月第4土曜15:00~21:30、岐阜県飛騨市古川町で『飛騨古川きつね火まつり』が開催されます。「きつねの嫁入り行列」が町路を厳かに進み、婚礼の儀が行なわれます。『きつね火まつり』は、平成2年から始まった祭りで、飛騨古川で古くから伝わる「きつねの嫁入り物語」を現代風にアレンジしたもの。

古川に伝承の「きつねの嫁入り物語」を再現!

『飛騨古川きつね火まつり』は、狐神の息子のもとに器量が良い娘が嫁入りしたという地元に伝わる民話「きつねの嫁入り物語」がモチーフ。
元々は商工イベントとして創始されましたが、地元の御蔵稲荷神社の例祭と組み合わされて現在のかたちになりました。

18:00頃、御蔵稲荷神社から採火され、松明の灯りを揺らしながら数十人にも及ぶ『きつね火まつり』の行列は古川の町を厳かに通り、まつり広場で合流。
まつり広場で出会った狐の花婿と花嫁は、結婚の儀が催される会場へ。
江戸時代に天領となった城下町の古い町並みを舞台にする1年に一夜だけの幻想的な祭り。
結婚の儀を見た人々には、「五穀豊穣」、「家内安全」、「商売繁盛」などの願いが叶えられるともいわれています。

例年、小雀獅子(こすずめじし)や神楽獅子(かぐらじし)など郷土芸能も披露されています。

ちなみに、祭りの主役である花婿花嫁は全国からの応募。

きつねの嫁入り物語

昔、飛騨古川の住民が狐を稲荷社に祀って大切にしているのを見た水神(大蛇)が、それを妬んで、日照りにしたとき、増島の殿様は、年貢をとらず、他国から米を買って急場をしのぎました。
増島の殿様が領内の巡視に出かけた際、偶然、野兎の罠にかかった美しい娘を助けます。
傷がいえるまで城内で暮らすようにと城に連れ帰りました。
「おこん」という名の娘は、殿様に寵愛されますが、日照りに悩む殿様に「荒城川から水を引き、古川の里を潤す水路を築いてみては」と提案。
見事に田畑は潤いますが、実りの秋に巡視に訪れた殿様に、大蛇は襲いかかります。
その大蛇を阻んだのがいずこからか現れた白狐。
大蛇は、「おこん」が狐神の娘だったことに気がつくのです。
それでも、殿様は「おこん」を嫁にしようと考え、里人もそれを喜びます。
増島の殿様も、家臣も、そして里人も、皆顔に白粉をぬり、狐の嫁入りが始まったのです。
嫁入り行列が増島の城に着くという矢先、またも大蛇が飛び出し、「おこん」を襲います。
しかし、また2匹の大きな狐が現れて、大蛇を抑え込んで諭します。
めでたし、めでたし。

ちなみに、天正13年(1585年)、飛騨高山藩主・金森可重(かなもりありしげ/増島城を築城)は、福全寺住職(福全寺は明治初年の廃仏毀釈で廃寺に)の快存上人(かいそんしょうにん)の進言で、荒城川から分流した水をを利用し新田開発のために堀川(後の瀬戸川用水)の掘削を命じています。
この歴史的な事実が脚色されたのが『きつねの嫁入り物語』だと推測できます。

画像協力/飛騨市観光協会

飛騨古川きつね火まつり|飛騨市
開催日時 毎年9月第4土曜15:00~21:30
所在地 岐阜県飛騨市
場所 飛騨市古川町内
関連HP 飛騨市公式観光サイト
電車・バスで JR飛騨古川駅から徒歩5分
ドライブで 東海北陸自動車道飛騨清見ICから約20km
駐車場 臨時駐車場を利用
問い合わせ きつね火まつり実行委員会事務局 TEL:0577-74-1192
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ