川北温泉

知床半島の付け根、標津(しべつ)山中に湧く温泉。もとは標津から忠類川の川筋に沿って山越えで斜里に向かう忠類越(ちゅうるいごえ)の湯治場として栄えた場所。明治時代は「竹沢の湯」と呼ぶ温泉宿もありました。旅館廃業後、昭和47年〜昭和55年には町民の保養所として利用されていましたが、現在は野ざらしの湯船のみとなっています。

標津山中に湧く秘湯

駐車場は保養所時代の名残りで広々としています

川北温泉のルーツとなる竹沢の湯は、明治19年に道路が通じたという歴史ある温泉。
道路開削のときに忠類川支流のソギシマプあたりで石油が発見されたり、忠類川支流イケショマナイ川で銅・金・銀を含む鉱床が発見され、根室鉱山として採掘されたり、さらには大正時代には瑠辺斯鉱山の採掘も行なわれたりと、今よりも人が山に入った時代だったと推測されます。

そんな歴史と、泉質がいいこともあって(現在もわざわざ入浴しに来る漁師がいるほど)保養所としても機能しましたが、廃業後荒廃していました。

ヒグマに注意して入浴を

秘湯ブームと、地元温泉愛好家たちの熱意もあって、トイレ、脱衣所なども設けられ復活。
湯船は往時の湯船を利用した石造りで男女別の露天風呂のみですが、林道が閉鎖される積雪期以外は自由に入浴が可能です。
ただし、湯船周囲を清掃するなど、マナーを守って入浴を。

女性用の湯船には囲いもあるので、安心して入れますが、「クマの通り道」(地元の常連の話)でもあるために熊の出没には充分注意が必要。
またヒグマを誘引するような飲食や、ゴミの放置は厳禁です。

泉質は含ホウ酸・食塩硫化水素泉でよく温まるのが特長。
ゆえに長湯は禁物です。

国道244号の金山橋からダートの林道(笹の沢林道)を5kmほど走るので、携帯電話の電波も届かないエリアなので、パンクなど万一を考え、夕方などの利用は避けるのが賢明。
また入林にあたっては、根釧東部森林管理署に「入林承認申請書」を出すのが基本原則となっています。
林道の通行状況によって入口のゲートが閉まり立ち入れないこともあるのでご注意を。

川北温泉
名称 川北温泉/かわきたおんせん
所在地 北海道標津郡標津町川北
電車・バスで JR釧路駅から阿寒バス標津行き、羅臼行きで2時間35分、標津バスターミナル下車、タクシーで40分
ドライブで 根室中標津空港から約33km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 標津町観光協会 TEL:0153-82-2131/FAX:0153-82-1787
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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