北陸新幹線で富山、金沢、福井、敦賀へ。リッチなグランクラスに乗ってみようという人は、必読です。北陸新幹線「かがやき」は、「グランクラス」(飲料・軽食あり)で「リフレッシュメント」と呼ばれる軽食と飲み物サービスがありますが、実は、長野と富山では料金が大違い! その理由は?
長野駅と富山駅では差額がなんと7100円!
ANAの国内線プレミアムクラス、JALの国内線ファーストクラスに比べると、少し品数などは少ないものの、内容的には季節ごとに厳選した食材を使い、かなり吟味された軽食が「リフレッシュメント」。
洋食、和食が選択でき、アルコール類、ソフトドリンクなどとともにグランクラスアテンダントにより提供されます。
東京~金沢・敦賀発着の「かがやき」が「グランクラス」(飲料・軽食あり)、それ以外は「グランクラス」(飲料・軽食なし)となり、料金設定も異なります。
また始発の東京駅から「グランクラス」を利用する場合、当日、グランクラス券を提示すると利用できる「ビューゴールドラウンジ」(ビューカードのゴールドカード会員も利用可能)も用意され、これもANAプレミアムクラス、JALファーストクラスと同じです。
「グランクラス」(飲料・軽食あり)の場合は、乗車するとウェルカムセット(水、おつまみ、おしぼりなどがセット)も提供されます。
さてさて、サービスの概要をマスターしたところで、その料金。
現行の料金だと長野駅までのグランクラス料金(飲料・軽食あり)は、9430円と、ANAの国内線プレミアムクラス、JALの国内線ファーストクラスと同程度と考えられますが、県境を越えて富山駅、金沢駅まで乗車すると1万5370円。
福井駅、終点の敦賀駅までが1万6760円となります。
富山駅〜福井駅は1390円アップですが、長野駅〜富山駅はなぜか7100円もアップしています。
実は、北陸新幹線は上越妙高駅がJR東日本、JR西日本の境界駅。
在来線は糸魚川駅が境界駅でしたが、北陸新幹線では糸魚川駅はJR西日本の管轄に。
上越妙高駅を通過する列車があるため、長野駅で乗務員交代が行なわれ、JR西日本の乗務員は、JR東日本の管轄する長野駅まで出張し、乗務に就いています。
実は電力会社も軽井沢駅まで50Hzの東京電力、上越妙高駅までは60Hz中部電力、糸魚川駅までは50Hz東北電力、金沢駅までは60Hz北陸電力と目まぐるしく変化。
2つの周波数に対応する車両を開発(東海道新幹線は東日本部分も60Hzで運用)、架線には惰性で走る絶縁部分を設けているのです。
電気も東西の違いがありますが、鉄道会社もJR東日本からJR西日本に変わります。
乗車券(運賃)と特急券、グリーン券は、「会社間をまたがっても乗りかえもなく、不便になりません。運賃も高くなりません」と政府がPRしていた従来の国鉄分割民営化の方針を踏襲して、会社またぎでも通しの料金設定ですが、グランクラスに関しては、国鉄時代にはないサービスということで、鉄道会社別に、料金を支払っているのです。
現在のグリーン車がかつての2等、普通車が3等と考えれば、往時の1等にあたるのがグランクラスですが、分割民営化時には1等車は廃止されていたため(昭和35年6月1日、東海道本線特急の電車化で1等車廃止)、新しく展開するサービスと判断されたのです。
北海道新幹線も同様で、会社またぎの料金設定となります。
グランクラスに乗車という鉄道ファンは、東京からだと、富山駅以遠に行くより距離が遠い新青森駅まで乗車した方が安いことを知っているので、「はやぶさ」のグランクラスを利用したり、東京駅でラウンジを楽しみ、長野駅で下車したりしています。
ちなみにこのグランクラス料金(飲料・軽食あり)、2025年4月1日(火)発売分からさらに値上げされ、長野駅まで1万1190円、富山駅・金沢駅まで1万7990円、福井駅・敦賀駅まで1万9380円となるので、さらにコスパも悪く手が届かなくなる感じです。
北陸新幹線、グランクラスの料金が跳ね上がる区間が! | |
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