富山県中新川郡立山町、立山黒部アルペンルート途中の最高所、室堂ターミナルの上階に入っている「ホテル立山」。標高2450メートルに建つ日本最高所のホテル(日本ホテル協会加盟)ですが、「ホテル立山」令和8年8月末で宿泊事業が終了、レストラン部門のみ営業が存続すると発表されています。
日本最高所の標高2450mに建ち、周囲では雷鳥が遊ぶ!
日本最高所に建つ「ホテル立山」ですが、シーズン始まりの4月下旬〜6月にはホテル近くの高原道路に「雪の大谷」と称される日本一の雪壁も誕生するほどの豪雪地帯。
ターミナルも兼ねたホテルは、雪の圧力を受けるため、要塞のような頑強な造りとなっていて、内部に入ると、雲上とは感じないほどの別世界となっています。
営業は立山黒部アルペンルート全通(昭和46年6月1日)の翌年、昭和47年シーズンからで、老朽化は進んでいますが、宿泊者はさぼど古さを感じることはありません。
経営的にネックとなるのが営業期間の短いこととそれに合わせてのホテルスタッフの充当。
系列のホテルとしては弥陀ヶ原ホテルがありますが、こちらも冬季は休業。
ホテルスタッフは冬場はプリンスホテル系のスキーリゾートなどのホテルで「研修」するスタイルなどで、ホテルスタッフのレベルを保ってきたのです。
大観峰駅での御来光時間に合わせ、立山トンネルを走るトロリーバスを宿泊者向けに運転する「ご来光バス」もトロリーバスが電気バスに変わったのを機に廃止に。
オペレーションの問題もあったのでしょうが、こうしたサービスの維持が困難になってきたことは明白です。
今後は、星野リゾートが運営するとも噂されていますが、高所での季節営業というネックを星野グループの運営ということで克服できるのか。
はたまたインバウンド向けの宿となってしまうのか。
いずれにしろ、「優雅な山のホテル」の歴史は来夏で閉じてしまう可能性が大。
令和8年の宿泊予約受付は、令和7年12月以降に開始するとのこと。
ホテル立山ファンにとっては、最後の夏となります。
日本最高所のホテル「ホテル立山」、来夏で営業終了! | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |