環境省の「令和4年度温泉利用状況」によれば、日本で一番源泉総数の少ない県は、沖縄県。沖縄は、琉球石灰岩でできた島が多く、人が住むエリアには火山もありません。2位は奈良県、3位は徳島県で、近畿や四国、関東平野などに温泉の少ない都道府県があることがわかります。
東京都内にも自噴する温泉を使った温泉地が5ヶ所ある!
共通するのは活火山がないために自噴泉が少ないこと。
琉球石灰岩が地盤の沖縄の温泉は、地下800mから掘削するような温泉がほとんどで、化石海水が地熱で温められたという特異な存在です。
東京23区内の銭湯などで見かける温泉は、古代の植物性地層などに由来する黒色とか茶褐色のモール泉で、北海道の十勝エリアなどと同じです。
東京都内で温泉が自噴するのは伊豆諸島・式根島の地鉈温泉、足付温泉などです。
TOP10には入っていませんが、香川県は自噴泉がゼロで、環境省の調査では日本で唯一自噴泉のない県となっています。
香川県内の温泉は、阿讃山地から湧出する鉱泉、単純硫黄泉が主体で、お隣の愛媛県には道後温泉があるのとは好対照になっています。
2位の奈良県にある十津川村は全国で初めて「源泉かけ流し宣言」をした村で、「お湯の循環、再利用を一切せず、沸かさず、塩素消毒をせず、薄めず、『ほんまもんの温泉』をこんこんとかけ流しています」(十津川村)とPRしていますが、かけ流しにちょうどいい温度の単純硫黄泉が湧出するのでできることなのです。
温泉のイメージのない奈良県ですが、探せば、そんな温泉地も。
源泉数は少なくとも、各エリアとも工夫して温泉を活用していることがよくわかります。
源泉総数の少ない県 TOP10
順位 | 都道府県 | 源泉総数 | 湧出量 (L/分) | 利用源泉 (自噴数) | 利用源泉 (動力数) | 未利用源泉 (自噴数) | 未利用源泉 (動力数) |
1位 | 沖縄県 | 21 | 5086 | 2 | 19 | 0 | 0 |
2位 | 奈良県 | 77 | 6199 | 8 | 56 | 3 | 10 |
3位 | 徳島県 | 81 | 7426 | 11 | 35 | 17 | 18 |
4位 | 滋賀県 | 86 | 1万1002 | 8 | 41 | 13 | 24 |
5位 | 高知県 | 96 | 2692 | 3 | 42 | 17 | 34 |
6位 | 埼玉県 | 116 | 15471 | 12 | 86 | 0 | 18 |
7位 | 千葉県 | 142 | 1万1501 | 24 | 115 | 0 | 3 |
8位 | 茨城県 | 154 | 2万2679 | 9 | 80 | 14 | 51 |
9位 | 東京都 | 170 | 3万1005 | 5 | 132 | 4 | 29 |
10位 | 佐賀県 | 188 | 2万1904 | 4 | 113 | 7 | 64 |
温泉大国・日本で、温泉(源泉数)の少ない県は!? 源泉総数200以下のTOP10 | |
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