旧南会津郡役所

旧南会津郡役所

福島県南会津郡南会津町にある明治18年築の擬洋風建築が旧南会津郡役所。もともとは田島合同庁舎の敷地内にありましたが、庁舎建設に伴って昭和46年の移築の際に原形どおりに復原。南会津の文明開化のシンボル的な存在で、大正15年の郡制廃止以降は福島県南会津支庁・地方事務所として機能していました。福島県の重要文化財に指定。

地元棟梁が建てた擬洋風建築の郡役所

旧南会津郡役所
現役時代の南会津郡役所/禁・無断転載

南会津郡役所建築の前年、明治17年には福島県令・三島通庸(みしまみちつね)が主導した会津三方道路(あいづさんぽうどうろ/会津若松から南の田島・今市方面、西の新潟方面、北の山形県米沢方面の三方への新道)が開削され、会津若松に向かっての車道(馬車道)が完成。

南会津郡でも郡役所新築の気運が高まり、福島県の出費3000円、郡民の寄付4700円を費やして完成。
福島県田島合同庁舎建設に伴って移築。
移築復原後は、奥会津地方歴史民俗資料館として活用されていましたが、新施設のオープンで、旧南会津郡役所として公開されています。

館内では南会津に鳴り響く文明開化、鴫山城「別名・南山城」(福島県指定史跡)の沿革とジオラマ・遺跡、南山御蔵入地方の百姓一揆騒動、旧南会津郡役所建築の経緯、会津三方道路開削を常設展示しています。
徒歩5分の場所には直江兼続(なおえかねつぐ)の弟、大国実頼(おおくにさねより)が城代を務めたこともある鴫山城(しぎやまじょう/福島県の史跡)があり、大門石垣遺構などが現存。

ちなみに、南会津郡は下郷町(しもごうまち)、檜枝岐村(ひのえまたむら)、只見町(ただみまち)、南会津町の3町1村で、群域は明治12年の軍制発足時(18ヶ村、郡役所を田島村に設置)と変化はありません。

福島県内に現存する郡役所建築は、旧南会津郡役所のほかに、旧伊達郡役所(伊達郡桑折町/明治16年築、国の重要文化財)、旧西白河郡役所(白河市/明治16年築、明治記念館)があります。

旧南会津郡役所
名称 旧南会津郡役所/きゅうみなみあいづぐんやくしょ
所在地 福島県南会津郡南会津町田島丸山甲4681-1
関連HP 旧南会津郡役所公式ホームページ
電車・バスで 会津鉄道会津田島駅から徒歩10分
ドライブで 磐越自動車道会津若松ICから約48km
駐車場 5台/無料
問い合わせ 旧南会津郡役所 TEL:0241-62-3848
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

旧伊達郡役所

明治16年、江戸時代の桑折陣屋(こおりじんや)跡横に建てられた木造2階建ての洋館が旧伊達郡役所で、国の重要文化財。伊達郡の役所として、1階は郡政事務室に、2階が郡会会議室となっていました。桑折藩(こおりはん)は、江戸時代の無城の藩の一つで、

鴫山城

鴫山城

福島県南会津郡南会津町にある中世の城跡が鴫山城(しぎやまじょう)。関東方面から会津への入口、南山口(みなみやまぐち)を固める山城(南山城とも)。築城は南北朝時代まで溯り、長沼氏(祖は現在の栃木県真岡市長沼の宗光寺を館とした)が元寇以降に南会

 

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