福島県須賀川市にある浄土宗の寺、十念寺。来迎山白道院十念寺は、益子の円通寺の末寺として文禄元年(1592年)創建。元禄2年4月28日(1689年6月15日)、松尾芭蕉は『奥の細道』の道中で須賀川宿に7泊もし、出発の前日、十念寺に参詣しています。翌日は須賀川を発ち、乙字ヶ滝を経て旅を続けています。
境内に市原多代女建立の芭蕉句碑も
芭蕉訪問後、度重なる火災で、堂宇を焼失し、現在の本堂は明治10年の再建。
境内に立つ芭蕉の句碑(「風流の初や奥の田植うた」)は、幕末の安政2年(1855年)、須賀川の女流俳人で松尾芭蕉を尊敬する市原多代女(いちはらたよじょ=90歳で亡くなるまでに、4000以上の俳句を残しています)によって建立されたもの。
芭蕉と曾良は奥州街道・須賀川宿で4月22日~4月29日(西暦6月9日~6月16日)と7泊もしています。
須賀川の豪商で、旧友、相楽等躬(さがらとうきゅう)との交流という目的があったのです。
白河の関を越えて奥州路に入ると、ちょうど田植えの真っ最中。
久々に会う旧友のため詠んだ挨拶句(最初に詠む発句)でもあるのが「風流の初やおくの田植うた」なのです。
墓地には、地元須賀川出身で、東京オリンピックで活躍、銅メダルを獲得した円谷幸吉(つぶらやこうきち)の墓があります。
円谷幸吉は、銅メダルを獲得後、腰痛を発病するなど苦悩の日々を過ごし、「幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません」という遺書を残して自殺しています(享年27)。
十念寺 | |
名称 | 十念寺/じゅうねんじ |
所在地 | 福島県須賀川市池上町101 |
電車・バスで | JR須賀川駅から徒歩20分 |
ドライブで | 東北自動車道須賀川ICから約3km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 十念寺 TEL:0248-73-2216 |
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