全国に3000基といわれる灯台ですが、国の重要文化財に指定される現役の灯台がなんと14基あり、そのうち5基が灯火部分まで上ることのできる参観灯台です。白亜の灯台であってもコンクリート製ではなく、レンガ造りや石造りの場合が多く、ぜひ塔に接近してその質感などの確認を。
尻屋埼灯台(しりやさき)|青森県
所在地:青森県下北郡東通村尻屋崎1-1
初点灯:明治9年10月20日(東北最初の灯台)
構造形式:金属製、レンガ造り
高さ:塔高33m、平均水面上から灯火まで47m
光達距離:18.5海里(34km)
内容:尻屋崎と北海道・恵山岬(函館市)を結ぶ線が、太平洋と日本海(津軽海峡)の境界線
R.H.ブラントンの設計で、レンガ造りの灯台としては日本一の高さ
周辺の草原には有名な寒立馬(かんだちめ)が放牧
日本の灯台50選に選定
参観できるのは例年4月上旬〜11月上旬
経済産業省の近代化産業遺産(「安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群」)
参観灯台(見学可能)
犬吠埼灯台(いぬぼうさき)|千葉県
所在地:千葉県銚子市犬吠埼9576
初点灯:明治7年11月15日
構造形式:金属製、レンガ造り・鉄筋コンクリート造り
高さ:塔高31m、平均水面上から灯火まで52m
光達距離:19.5海里(36km)
内容:ブラントン設計の貴重な灯台
Aランク保存灯台、世界灯台100選、日本の灯台50選に選定、経済産業省の近代化産業遺産にも認定
参観灯台(見学可能)
清水灯台(しみず)|静岡県
所在地:静岡県静岡市清水区三保2109-2
初点灯:明治45年3月1日
構造形式:金属製、鉄筋コンクリート造り
高さ:塔高17.73m、平均水面上から灯火まで21m
光達距離:14海里(26km)
内容:三保半島の先端部に建ち、富士を仰ぐ絶景の灯台
当時、茶の輸出で賑わう、国際貿易港・清水港の改修と同時に建設
日本初の鉄筋コンクリート造りの灯台です
御前埼灯台(おまえさき)|静岡県
所在地:静岡県御前崎市御前崎燈明1581-1
初点灯:明治7年5月1日
構造形式:金属製、レンガ造り・石造り
高さ:塔高22m、平均水面上から灯火まで54m
光達距離:19.5海里(36km)
内容:ブラントン設計の灯台
レンガ造りの灯台として参観できる日本最古の灯台
参観灯台(見学可能)
菅島灯台(すがしま)|三重県
所在地:三重県鳥羽市菅島町ボシ山163
初点灯:明治6年7月1日
構造形式:金属製、レンガ造り
高さ:塔高9.7m、平均水面上から灯火まで54.5m
光達距離:20.0海里(37km)
内容:渡鹿野島(わだかのじま/現・三重県志摩市)の瓦師・竹内仙太郎が焼成した国産のレンガを使った日本初の円形レンガ造りで、現役では日本最古の灯台
日本の灯台50選、Aランクの保存灯台
経ヶ岬灯台(きょうがみさき)|京都府
所在地:京都府京丹後市丹後町袖志経ケ岬
初点灯:明治31年12月25日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高12.42m、平均水面上から灯火まで148.0m
光達距離:光達距離は22.0海里(40.7km)
内容:明治32年に浜田港と境港の両港が開港場の指定を受け、国際貿易港になることを前提に築かれた灯台
灯台のレンズは全国5ヶ所にしかない1等レンズ
江埼灯台(えさき)|兵庫県
所在地:兵庫県淡路市野島江崎小磯17
初点灯:明治4年4月27日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高8.27m、平均水面上から灯火まで48.5m
光達距離:白色18.5海里(34.3km)、赤色16海里(29.6km)
内容:慶応3年(1867年)、幕府と英国公使が結んだ大坂条約で約束された兵庫港の入出港の安全を確保するための5灯台のひとつで、最初に完成
経済産業省の近代化産業遺産、Aランクの保存灯台
美保関灯台(みほのせき)|島根県
所在地:島根県松江市美保関1338-17
初点灯:明治31年11月8日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高14.0m、平均水面上から灯火まで平均水面上から灯火まで
光達距離:23.5海里(44km)
内容:明治32年に浜田港、境港が開港場となり、灯台を設置
明治初期のブラントン設計の近代灯台を踏襲し、日本人技師が設計、地元・片江村(現・美保関町片江)の石工・寺本常太郎が施工
旧吏員退息所は、「美保関灯台ビュッフェ」として再生
Aランクの保存灯台、日本の灯台50選、歴史的灯台世界100選(国際航路標識協会選定)、近代化産業遺産
出雲日御碕灯台(いずもひのみさき)|島根県
所在地:島根県出雲市大社町日御碕秘台原山1478
初点灯:明治36年4月1日
構造形式:金属製、石造り・レンガ造り
高さ:塔高43.65m、平均水面上から灯火まで63.30m
光達距離:21海里(39km)
内容:明治32年7月、浜田港と境港が開港場に指定され、外国との貿易が活発化したことを背景に、日御碕突端に日本人の設計・施工で建築。
外壁が石造、内壁がレンガという2重構造で、日本古来の築城技術と明治時代に導入された石造建築技術が融合した傑作
世界の灯台100選、Aランクの保存灯台、日本の灯台50選、近代化産業遺産にも選定
参観灯台(見学可能)
角島灯台(つのしま)|山口県
所在地:山口県下関市豊北町角島2343-1
初点灯:明治9年3月1日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高29.62m、平均水面上から灯火まで44.66m
光達距離:18.5海里(34km)
内容:リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計による離日前最後の灯台
灯塔は総御影石造りで、しかも無塗装
Aランクの保存灯台、日本の灯台50選、経済産業省の近代化産業遺産にも認定
参観灯台(見学可能)
六連島灯台(むつれしま)|山口県
所在地:山口県下関市豊北町六連島船着654
初点灯:明治4年11月21日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高10.6m、平均水面上から灯火まで27.9m
光達距離:12.0海里(22km)
内容:下関戦争でイギリスなどに支払う賠償金の一部を利用し、兵庫(神戸港)へと向かう国際航路の安全を確保するために建設された灯台
ブラントンの設計
鍋島灯台(なべしま)|香川県
所在地:香川県坂出市与島町鍋島
初点灯:明治5年11月15日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高9.8m、平均水面上から灯火まで28.8m
光達距離:11海里(20km)
内容:瀬戸内海を通航する船が、夜間に退避停泊するための「停泊信号」としての灯台(明治時代は夜間の運航ははなはだ危険でした)
ブラントン設計でAランクの保存灯台、日本の灯台50選、経済産業省の近代化産業遺産に認定
釣島灯台(つるしま)|愛媛県
所在地:愛媛県松山市泊町1456(釣島)
初点灯:明治6年6月15日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高10.3m、平均水面上から灯火まで58.2m
光達距離:20.5海里(38km)
内容:兵庫(神戸港)の開港を受けて伊予灘(いよなだ)と安芸灘(あきなだ)を行き交う船舶の安全を守るためにブラントンの設計で建設
Aランクの保存灯台、近代化産業遺産
部埼灯台(へさき)|福岡県
所在地:福岡県北九州市門司区白野江部埼20-1
初点灯:明治5年1月22日
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高9.7m、平均水面上から灯火まで39.1m
光達距離:17海里(32km)
内容:幕末に大坂条約で約定した灯台で、ブラントンの設計
瀬戸内海航路の西の入口を守るために建設
Aランクの保存灯台で、日本の灯台50選にも選定
| 重要文化財の現役灯台 全国14基 | |
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