加賀藩前田利家の重臣、野村伝兵衛信貞から12代続いた野村家は、代々奉行職を歴任した名家。武家屋敷跡野村家は、長町武家屋敷跡にあって、往時の武家屋敷が唯一公開されている場所です。庭園には、曲水や古木などが当時のまま残されています。豪奢な建物は大聖寺藩の北前船交易で財を築いた久保彦兵衛が幕末に建てた屋敷を移築したもの。
加賀藩の奉行職を歴任した重臣の庭園が現存
前田利家に従って、1583(天正11)年、金沢城下に入った野村伝兵衛信貞。
最初は1000石、後に1200石の上級武士として御馬廻組頭や奉行などを務めています。
敷地内には、のちの主人となった大聖寺藩の北前船の商人、久保彦兵衛が1843(天正14年)に築いた豪邸の一部を移築公開。
館内では、狩野派の佐々木泉景が山水画を描いた襖など、貴重な文化財が観賞できます。
藩主を招いた上段の間、総檜造りの格天井やギヤマン入りの障子戸、加賀藩のお抱え絵師による襖絵(ふすまえ)などは必見です。
野村家の庭園は、樹齢400年の山桃、椎の古木、六尺もの大雪見灯籠、桜御影石の大架け橋などが配され、書院から眺める仕組み。
米国の庭園専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』誌の日本庭園ランキングで第3位に選ばれたことも。
併設の茶室では、抹茶と干菓子をいただくこともできます。
北前船で財を築いた久保彦兵衛
久保彦兵衛と西出孫左衛門は、橋立の北前船主の双璧。
久保彦兵衛は、1853(嘉永6)年の黒船来航時、大聖寺藩の海防資金として3000両(3億円)を上納。
廃藩置県に際しては、藩札の整理に5000両(約1億5千万円)を献上したといわれています。
久保彦兵衛は、1853(嘉永6)年の黒船来航時、大聖寺藩の海防資金として3000両(3億円)を上納。
廃藩置県に際しては、藩札の整理に5000両(約1億5千万円)を献上したといわれています。
武家屋敷跡 野村家 | |
名称 | 武家屋敷跡 野村家/ぶけやしきあと のむらけ |
所在地 | 石川県金沢市長町1-3-32 |
関連HP | 武家屋敷跡 野村家公式ホームページ |
電車・バスで | JR金沢駅から北陸鉄道バス香林坊方面行きで11分、香林坊下車、徒歩5分 |
ドライブで | 北陸自動車道金沢西ICから約6km |
駐車場 | 6台/無料 |
問い合わせ | 武家屋敷跡 野村家 TEL:076-221-3553 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材・画像協力/金沢市
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