2024年8月20日に発表したJR九州の「線区別ご利用状況等の公表について」によると、1日の平均通過人員が2000人以下のローカル線のなかで、赤字額が最も多かったのが日南線の田吉駅~油津駅で、赤字額はなんと7億300万円。輸送密度は日南線の油津駅〜志布志駅間が1日あたり179人と最少でした。
沿線自治体は利用促進策を打ち出していますが・・・
赤字額ワーストの田吉駅~油津駅間と、5位の油津駅~志布志駅間を有する日南線は、宮崎県の南宮崎駅と鹿児島県の志布志駅を結ぶJR九州のローカル線。
南宮崎駅~田吉駅の1駅間のみ電化され、日豊本線の特急列車が宮崎空港線に乗り入れていますが、田吉駅以南は非電化で普通列車しか走らないローカル線です。田吉駅~志布志駅間はとくに赤字路線で、沿線自治体は廃止の危機感を抱いています。
赤字額は田吉駅~油津駅が大きいのですが、100円の収入を得るためにいくらかかったのかを示す営業係数は油津駅~志布志駅間は1000円を超え、輸送密度の少なさがネックになっています。
沿線自治体の日南市と串間市はJR九州の株を購入して、株主として存続を訴え、さまざまな利用促進策を打ち出しています。
過疎化が進むなかで、日常利用の増加が大きな課題となっています。
JR九州 赤字ローカル線 TOP10
順位 | 線名 | 区間 | 営業 キロ | 営業収益 (百万円) | 営業費 (百万円) | 営業損益 (赤字額) | 民営化後 減少率 |
1位 | 日南線 | 田吉~油津 | 44.0 | 163 | 866 | 7億300万円 | ▲55% |
2位 | 日豊本線 | 佐伯~延岡 | 58.4 | 395 | 928 | 5億3300万円 | ▲74% |
3位 | 指宿枕崎線 | 指宿~枕崎 | 42.1 | 32 | 494 | 4億6200万円 | ▲76% |
4位 | 吉都線 | 都城~吉松 | 61.6 | 77 | 505 | 4億2800万円 | ▲73% |
5位 | 日南線 | 油津~志布志 | 42.9 | 26 | 444 | 4億1800万円 | ▲73% |
6位 | 唐津線 | 久保田~唐津 | 40.3 | 251 | 645 | 3億9400万円 | ▲49% |
7位 | 肥薩線 | 吉松~隼人 | 37.4 | 70 | 442 | 3億7200万円 | ▲57% |
8位 | 日豊本線 | 都城~国分 | 42.2 | 389 | 739 | 3億5000万円 | ▲33% |
9位 | 豊肥本線 | 宮地~豊後竹田 | 34.6 | 89 | 421 | 3億3200万円 | ▲81% |
10位 | 三角線 | 宇土~三角 | 25.6 | 111 | 415 | 3億500万円 | ▲64% |
JR九州 赤字ローカル線 TOP10 | |
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