JR東海の「新快速」と「特別快速」、どちらが上位の速達列車!?

JR東海「特別快速」

名古屋〜岐阜、名古屋〜豊橋では名鉄と熾烈な戦いを繰り広げるJR東海(東海道本線)。現在の東海道本線には特急のほか、普通、快速、新快速、特別快速と4種の種別があります。現在、通勤電車にこれだけのバリエーションがあるのは、JR東海のみ。「新快速」と「特別快速」はどちらが速達性が高いのでしょう?

JR東海では、特別快速>新快速>快速>普通

JR東海「特別快速」

東京の中央本線には快速の上をゆく特別快速があり、ライバルの京王線の新宿〜八王子の特急に対抗する速達列車(通勤電車)としてて1967年7月、国電時代に誕生しています。
現在の「中央特快」、「青梅特快」で、2025年3月15日(土)からダブルデッカー(2階建て)のグリーン車サービスも始まります。

大阪でも大阪鉄道管理局が1970年10月1日に並走する私鉄に対抗する速達性を確保するために、東海道・山陽本線に新快速を導入。
こちらはクロスシートでの快適性もあって、JR西日本の看板列車にまで成長しています。
中央本線の特別快速が通常の通勤電車(国電)だったのに対し、関西の新快速は113系(湘南電車)、さらに1972年からは急行系の153系、1980年には3代目で初の専用車両117系へと変わり、看板列車となっていったのです。

東海地区は完全電車化が実現する1968年までは客車も残り、ライバルの名鉄に通勤通学の輸送力でも劣っていました。
1971年4月26日に快速を導入、1982年には関西の新快速で活躍する117系を導入し「東海ライナー」として名鉄対抗の切り札としています。
それでも国鉄時代最後の1986年のダイヤ改正が「汽車から電車へ」がキャッチフレーズだったので、まだまだ名鉄には遅れをとっていました。

JR東海発足後の1989年3月11日、名鉄の特急、高速(停車駅は特急とほぼ同じ)に対抗する最速達タイプの新快速が誕生。
座席が転換クロスシートのJR東海311系電車を製造、新快速を中心に投入し、快適性も向上させています。
この部分では大阪に学んだ運行スタイルともいえるかもしれません。

1999年12月4日、朝夕のラッシュ時を中心に、新快速を上回る形の特別快速が登場。
大府駅を通過するなど速達性の向上を図るとともに、飯田線への乗り入れも実現しています。
大阪では関東の特別快速を上回るかたちで新快速が登場しましたが、JR東海では、新快速の上位の速達列車として特別快速が誕生しています。

関西人が東海地区のJRを見ると、新快速よりも上位の快速があることに少し違和感を覚えるかもしれません。
ちなみにJR西日本の新快速は最高速度が130km/h、JR東海の特別快速・新快速は最高速度120km/hで、スピードはJR西日本が勝っています。

なお、英語表記は微妙に異なり、特別快速は発祥のJR東日本が「Special Rapid Service」、JR東海が「Special Rapid Train」、新快速は発祥のJR西日本が「Special Rapid Service」JR東海では「New Rapid Train」となっています。

JR東海「新快速」
JR東海「新快速」
JR東海の「新快速」と「特別快速」、どちらが上位の速達列車!?
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