かつては鹿児島駅と門司港駅を結び九州を縦貫した鹿児島本線。門司港は、上海など国際航路の船が出港する港、そして山陽側・下関港とを結ぶ鉄道連絡船が出ていました。平成23年3月12日、九州新幹線の博多駅〜鹿児島中央駅が全通し、この鹿児島本線は、存廃のかかる大きな試練となったのです。
九州新幹線の開業で八代駅〜川内駅は肥薩おれんじ鉄道に

鹿児島本線の鹿児島市の玄関駅は、西鹿児島駅(起点駅は日豊本線とともに鹿児島駅)でしたが、平成16年3月13日、九州新幹線の新八代駅からの部分開業に際して、鹿児島中央駅に改称しています。
かつては西鹿児島駅発、東京駅行きの夜行急行「桜島・高千穂」が運転。
鹿児島本線・熊本経由の急行「桜島」、日豊本線・宮崎経由の急行「高千穂」を門司で併結(併結するとなんと14両編成)、東京を目指すという長距離列車で、「桜島」の所要時間は下り25時間43分、上り25時間33分。 「高千穂」は下り28時間20分、上り28時間14分という気の遠くなるような「ボックス席」の長旅でした。
昭和50年3月10日のダイヤ改正で廃止されるまで、「日本最長の急行列車」として君臨していました。
そんな長旅も今や昔話。
鹿児島中央駅〜新大阪駅を九州新幹線・山陽新幹線直通の「みずほ」を利用し、新大阪で「のぞみ」に乗り換えれば、6時間22分で到達できます(鹿児島中央駅6:35発、「みずほ600号」利用)。
JR九州の運営する九州新幹線ですが、全線開通後は、在来線の鹿児島本線と競合するため、平成16年3月13日に九州新幹線新八代駅〜鹿児島中央駅が開業するにあたり、並走する鹿児島本線八代駅〜川内駅間を、第3セクターの肥薩おれんじ鉄道に移管しています。
その結果、現在の鹿児島本線は門司港駅〜八代駅(232.3km)、川内駅〜鹿児島駅(49.3km)と分割した姿に。
厳密にはこれに香椎駅〜福岡貨物ターミナル駅(3.7km)の貨物支線(JR貨物が保有)を加えた線が鹿児島本線となります。
門司駅〜折尾駅、博多駅〜竹下駅は複々線、吉塚駅〜博多駅、南福岡駅〜春日駅は3線と都市間輸送に活躍していますが、ローカルな部分では単線も残されています。

今や超難問! 鹿児島本線はどこからどこまで!? | |
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