毎年2月10日、秋田県仙北市上桧木内(かみひのきない)地区で熱気球顔負けの巨大な風船を夜空に浮かべる『上桧木内の紙風船上げ』が行なわれます。江戸時代に発明家・平賀源内が阿仁銅山の技術指導に訪れた際に、遊びとして伝えたといわれるもので、浮かぶ原理は現代の熱気球とまったく同じです。
武者絵や美人画などが描かれた巨大な風船が夜空に浮上!
熱した空気をバルーンに送り込んで、巨大な風船を夜空に浮かべます。
武者絵や美人画などが描かれ、灯火をつけた巨大紙風船がきらめく星々のごとく真冬の夜空に浮上。
18:00に一斉打ち上げ、20:30が最終打ち上げで、18:00〜20:30の間、約100個の紙風船が打ち上げられます。
15:00=会場オープン
16:40=昼風船上げ
17:40=あいさつ(上桧木内紙風船上げ保存委員会会長、来賓)
18:00=紙風船一斉打ち上げ
20:30=最終打ち上げ
一般車両の駐車場は、田んぼの雪を踏み固めた臨時駐車場。
天候の状況により駐車場の状態が悪くなる可能性があるので、秋田内陸縦貫鉄道の利用もおすすめです(当日は臨時列車の運行を予定)。
業務用の和紙を使って巨大な風船を手作り
以前は五穀豊穣や家内安全を願う「虫焼き」(田に積んだ稲わらに火をつけるもの=どんと焼き、天筆)と同時に行なわれた『上桧木内の紙風船上げ』。
五穀豊穣、家内安全など人々の願いを乗せた紙風船は、小さなものでも頭頂部まで3m、大きなものでは12mという巨大なもので、上桧木内地区の各集落で大人から子供まで総出で作られています。
材料集め、紙の裁断、絵の決定、下絵など制作には2ヶ月を要するという力作です。
材料は竹と紙だけ。
紙は、以前は習字用の半紙を使用していましたが、巨大化が進む近年では、幅1mほどの業務用の和紙を使用。
下部の開口部には、直径1m~3mの竹製の輪を取り付け。
この輪に熱源となるタンポ(灯油を染み込ませた布玉)を固定して完成となります。
さらに史実としても、平賀源内は、安永2年(1773年)に秋田藩主で画家としても名高い佐竹義敦(さたけよしあつ)に招かれて鉱山開発の指導に秋田入りしているのです。
佐竹義敦は、藩士・小田野直武を源内に弟子入りさせていますが、その小田野直武に源内は角館来訪時に「南蛮茶」(コーヒー)を振る舞ったとされているので、熱気球も伝授した可能性も大いにありえるのです。
斎老人が平賀源内の生涯をつづった『平賀実記』には、平賀源内が長崎でオランダ人から軽気球を買い取り、江戸へ持ち帰ったという記述があり、和紙で作った風船を熱で上昇させる技術は、すでに承知していたと思われるのです。
上桧木内の紙風船上げ|仙北市 | |
開催日 | 2月10日15:00〜 |
所在地 | 秋田県仙北市西木町上桧木内大地田 |
場所 | 紙風船広場 |
関連HP | 仙北市公式ホームページ |
電車・バスで | 秋田内陸縦貫鉄道上桧木内駅から徒歩7分 |
駐車場 | 一般車両の駐車場は、田んぼの雪を踏み固めた臨時駐車場を利用 |
問い合わせ | 西木観光案内所 TEL:0187-42-8480 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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