誕生寺で『灯篭流し(海施餓鬼会)』|鴨川市

誕生寺の灯籠流し

日蓮聖人生誕ゆかりの地に建つ大本山誕生寺(千葉県鴨川市)。毎年8月10日には『灯篭流し(海施餓鬼会)』が執り行なわれます。元禄16年(1703年)の元禄大地震の津波被害者の霊を慰めるために始まったものです。

元禄大地震の津波被害者の霊を慰めるために始まった

誕生寺祖師堂で海施餓鬼法要

この灯籠流し、もともとは元禄大地震による津波被災者の霊を慰めるために始まったもの。
元禄大地震は、元禄16年11月23日(1703年12月31日)午前2時ごろ、関東地方を襲った巨大地震。
マグニチュード(M)は7.9〜8.5と推定。

震源は、房総半島南端の野島崎(現・南房総市)あたりで、南房総では土地が隆起して段丘を形成した元禄段丘が誕生(野島崎では5.0m隆起)。
現在、灯台が建つ野島崎は沖合の小島から地続きの岬へと変貌しました。
古地図と比較すると、野島崎・白浜地区では元禄地震前の海岸線は現在より約500m内陸にあったことが判明しています。

津波の被害も甚大で、御宿では5m〜8m、野島崎では8m〜10mの津波が押し寄せました。

その津波で、安房小湊では四百数十名の住民の生命が奪われました。
多くの檀家を失った大本山誕生寺では、時の貫首・大中院日孝上人(26世)がその時の溺死者を慰霊するため、俗名戒名を記した大御本尊をしたため、その命日になぞらえ、22日講を発願し、戦前まで毎月追善供養を営んでいました。

戦後になって、太平洋戦争における戦没者の慰霊もかねて、妙の浦で海施餓鬼流灯会をおこなうようになり、さらに現在では、先祖供養、水難死、事故死者など、有縁無縁の諸霊の追善供養として海施餓鬼(灯籠流し)が行なわれています。

「東京京浜地区だけでなく、関西方面よりもこの日のために泊まり込んで参加される方がいらっしゃいます」というほど隆盛した行事に発展しています。

15:30=誕生寺祖師堂で海施餓鬼法要
18:30=鯛の浦遊覧船発着場で法要。団信徒らは4艘の遊覧船に乗って沖合に。
鯛の浦の遊覧船4艘に山積みにされた灯篭は、船尾よりローソクに火を灯した後、海上につぎつぎに流されます。

誕生寺灯篭流し(海施餓鬼会)
誕生寺灯篭流し(海施餓鬼会)
開催日8月10日
開催時間15:30=誕生寺祖師堂で海施餓鬼法要
18:30=鯛の浦遊覧船発着場で法要
所在地千葉県鴨川市小湊183
場所大本山誕生寺
関連HP大本山誕生寺公式ホームページ
電車・バスでJR安房小湊駅から鴨川日東バス上総興津駅行き、行川アイランド行きで3分、誕生寺入口下車、徒歩5分
ドライブで館山自動車道君津ICから約43km
駐車場150台/有料
問い合わせ大本山誕生寺 TEL:04-7095-2621/FAX:04-7095-2055
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

誕生寺

天津小湊(あまつこみなと)の海岸に建つ日蓮宗(にちれんしゅう)の総本山。1276(建治2)年、日蓮誕生の地を記念して、生家跡地に、上総興津(かずさおきつ)城主・佐久間重貞、日蓮の弟子・日家(にっけ)上人らが建立したと伝えられる古刹です。日蓮

 

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