JR烏山線には、東京近郊区間で唯一、異色の蓄電池電車が走る

電化区間では、パンタグラフを上昇させ、架線からの電力で走行しながら蓄電池に電気を蓄え、非電化区間では蓄電池の電力のみで走行するのが、JR東日本の直流蓄電池電車EV-E301系。一見すると電車ですが、非電化の烏山線(宝積寺駅〜烏山駅)ではパンタグラフを下ろして走るという異色の「電車」です。

東京近郊区間を日本で唯一の交流蓄電池電車が走る!

烏山線ACCUM(アキュム)
終点の烏山駅では架線から急速充電

JR東日本グループ「ゼロカーボン・チャレンジ2050」(2050年度のCO2排出量「実質ゼロ」に)の一環で、JR烏山線に投入されているのが、直流蓄電池電車EV-E301系。
男鹿線・奥羽本線(男鹿なまはげライン)には交流蓄電池電車EV-E801系が投入され、ともに蓄電池を意味するaccumulatorから、ACCUM(アキュム)という愛称が付けられています。

国内で運用される蓄電池電車は、JR九州の交流蓄電池電車BEC819系「DENCHA」(デンチャ)と3タイプのみで、直流の蓄電池電車はこのJR烏山線のみという貴重な車両です。

烏山線は起点の宝積寺駅(ほうしゃくじえき)が東北本線の乗り換え駅であるため、電化されているのでパンタグラフを上げての充電が可能。
終点の烏山駅は非電化区間のため、駅に急速充電器を設置、パンタグラフを上げて架線から充電するようになっています。
下り始発列車、最終列車、上り最終列車は宇都宮駅まで乗り入れていますが、電化区間を走るので架線から電気を取り入れ、同時に充電も行なっています。

現在、烏山線ではEV-E301系に統一されているので、どの列車に乗っても、ACCUMということになります。
パンタグラフを非電化区間で誤って上げてしまうことのないよう、車両がどの架線状態の場所にいるのかを自動で認識ができる架線認識装置も搭載されています(パンタグラフ上昇時に非電化区間に進入すると非常ブレーキが作動)。

2014年3月15日に運転が始まったEV-E301系。
営業運転初日の1番列車には乗車できない人もいるほどの盛況振りでしたが、今では普通のローカル線に戻っています。
青春18きっぷの残りを使っての日帰り旅行などにも最適なので、東京近郊区間を走るACCUM(アキュム)を見に行くのもおすすめです。

烏山線(宝積寺駅〜烏山駅)は東京近郊区間ですが、Suicaなどの交通系ICカードの使用できないので注意が必要(磁気の乗車券の購入、もしくは青春18きっぷなどが必要です)。

JR烏山線には、東京近郊区間で唯一、異色の蓄電池電車が走る
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