田端駅〜品川駅で山手線と並走する京浜東北線。大宮駅と横浜駅を結ぶ線で、横浜駅〜大船駅は根岸線という別の線。運用上で大船行きがあるのです。その京浜東北線、「京浜」「東北」とは何を表す言葉なのでしょう? 「京浜」は京浜急行と同じで、「東」京と横「浜」を結ぶという意味です、さてさて「東北」は?
JRの「線名・区間表示」には京浜東北線は存在しない!

「京浜」が東京と横浜なら、「東北」は東京と北の方という意味と考える人もいますが、答えは✗。
実は、京浜東北線という名は、運行系統の通称で、鉄道路線名称にはこの名はありません。
JRグループは、旧国鉄時代を踏襲して、JR線路名称公告による「線名・区間表示」を公表していますが(たとえば青梅線=立川〜奥多摩)、京浜東北線の名はありません。
「京浜」の方は大正3年12月20日、東京駅開業と同時に東海道本線の東京駅〜高島町駅(大正4年8月15日、横浜駅の移転に伴って廃止)に運転を開始した近郊型通勤電車の通称名「京浜線」がルーツです。
昭和7年に根岸線に乗り入れ、大船駅まで延伸、さらに大宮駅までの電化を受け、近郊型電車の直通運転が拡大しました。
当時、中距離、遠距離はまだ電気機関車牽引の列車が主流だった時代、首都圏の通勤電車として東海道線を走ったのが「京浜線」、そして東京駅〜大宮駅に延伸した際に、「東北本線を走る電車」ということで、「東北線」、あわせて京浜東北線としたのです。
東京駅〜田端駅間で山手線と並走する青い電車に乗車した際、「東北本線に乗っている」と感じることはありませんが、実は東北本線ということに。
加えていえば、東京駅〜田端駅間の山手線もJR線路名称公告による「線名・区間表示」では山手線ではなく、東北本線です(「線名・区間表示」上の山手線は、田端〜新宿〜品川で、品川〜東京間は東海道本線)。
結論といえば、東海道線と東北本線の首都圏近郊電車線ということで、本来は東海東北線というべき線を、京浜東北線と称していることに。
単に昭和初期に「東京と大宮を結ぶ」が周知できる言葉がなかったため、京浜東北線という言葉が生まれたということに。
JR線は、鉄道省・国鉄時代を踏襲し、東京駅に向かう列車が上り、その逆が下りですが、京浜東北線は東京駅が中間駅なので、当初から「北行」」(ほっこう)、「南行」(なんこう)と呼び分けています。

意外に知らない! 京浜東北線の「京浜」「東北」は何を意味する!? | |
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