循環運転の山手線ですが、正式名称の山手線は、田端駅〜池袋駅〜新宿駅〜品川駅の間だけで、品川駅〜東京駅は東海道線、東京駅〜田端駅は正式な路線としては東北本線となります(運用上は山手線)。品川駅〜田端駅を並走する京浜東北線も同様で、実は京浜東北線という路線は存在しません。
京浜東北線という名称の誕生は、昭和31年11月19日
JRの路線名(JR線路名称公告)は、国鉄時代の名称を踏襲し、明治42年10月12日に公布された国有鉄道線路名称(明治42年鉄道院告示第54号)がルーツです。
路線は、木の「幹と枝」の関係で本線と支線を設定しているため、東海道新幹線は東海道本線(在来線)の線増(複々線)扱いになっているのです。
JR東日本では、東海道本線(貨物線を除く)を東京〜熱海(営業キロ104.6km)、品川〜新川崎〜鶴見(17.8km)、鶴見〜横浜羽沢〜東戸塚(16.0km)としているので、この間を走る電車は、横須賀線も、新宿湘南ラインも、京浜東北線もすべて東海道本線ということに。
東京〜新横浜〜岐阜羽島〜新大阪(552.6km/東海道新幹線)はJR東海で東海道本線の扱いです。
東北本線(貨物線を除く)も東京〜田端〜仙台〜盛岡(535.3km)、八戸〜青森(96.0km)、日暮里〜尾久〜赤羽(7.6km)、赤羽〜武蔵浦和〜大宮(18.0km)、岩切〜利府(4.2km)、東京〜白石蔵王〜古川〜八戸(631.9km/東北新幹線)で、東京〜田端〜仙台〜盛岡が幹(本線)となっているので、実は東京駅〜田端駅〜大宮駅を走る京浜東北線こそが、東北本線ということに。
横浜〜磯子〜大船は根岸線(22.1km)なので、大宮駅から京浜東北線の大船行きに乗車すると、東京駅までは東北本線、横浜駅までは東海道本線、その先が根岸線ということに。
つまり、京浜東北線はあくまで運用上の名称で、京浜地区の東海道本線と東北本線を走るので、京浜東北という名が付いているのです。
もともと大正3年12月20日の東京駅開業と同時に東京駅〜高島町駅(現在は廃止され、横浜駅に集約/横浜市営地下鉄ブルーラインの高島町駅あたり)に京浜線(運用名)という通勤電車(現在のグリーン車に該当する二等客室も昭和13年まで連結)を走らせたのが始まりで、電車線(複線)完成を背景に大正14年11月1日に東北本線の田端駅まで運転を延長、さらに昭和3年に赤羽まで電車線が完成して延伸、昭和7年9月1日、大宮駅までの電化完成で、東北本線に乗り入れる形で延伸運転が開始されています。
大宮駅延伸当初は「東北・京浜線」と称していましたが、ゴロが悪いこともあって、昭和31年11月19日から京浜東北線と呼ばれるように。
東京駅をまたぐことから上り、下りではなく南行(横浜・大船方面)、北行(浦和・大宮方面)という呼称になっています。
実は京浜東北線は存在しない!? | |
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