神奈川県横須賀市西逸見町2丁目にある大正10年に海軍が建設した水道施設が、逸見浄水場(へみじょうすいじょう)。現在は現役を退き、逸見総合管理センターの一部、災害時における給水拠点として機能していますが、往時には相模川支流・中津川の水を引水し、緩速ろ過方式で横須賀軍港の水道水を生み出しています。
大正8年築の水道施設は国の登録有形文化財に
横須賀軍港水道の水源は、明治9年、横須賀製鉄所所長・ヴェルニーが観音崎近くの走水から引水し、逸見浄水場へ引水して使っていましたが、海軍施設の拡大に伴って水不足になったため、中津川の水を導水することになり、明治45年に着工、大正7年に通水が開始されました。
中津川の水を半原水源地(現・神奈川県愛甲郡愛川町半原)で取水し、全長53㎞を自然流下させて運んだもので、途中には盛福寺管路隧道などが残されています。
戦後、横須賀市に移管され横須賀市の水道源になりましたが、水需要の減少、水源水質の悪化、施設の老朽化により平成19年に取水が休止となり、平成24年2月28日に廃止に。
大正8年築のイギリス製のベンチュリー計(水の流量などを計測する計器)が設置されている「ヴェンチュリーメーター室」、緩速ろ過池調整室(かんそくろかちちょうせいしつ)4棟、配水池東西入口は国の登録有形文化財に指定されています。
逸見浄水場(現・逸見総合管理センター)は、米海軍横須賀基地 ドライドック1号~6号 (旧横須賀製鉄所・造船所・海軍工廠第一~第六号船渠)、逸見波止場衛門、横須賀線七釜トンネル(しっかまとんねる/JR田浦駅)、記念艦三笠、スチームハンマー(旧横須賀製鉄所設置/ヴェルニー公園内のヴェルニー記念館で保存)などとともに、日本遺産「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」の構成文化財のひとつ。
逸見浄水場 | |
名称 | 逸見浄水場/へみじょうすいじょう |
所在地 | 神奈川県横須賀市西逸見町2-10 |
関連HP | 横須賀市公式ホームページ |
電車・バスで | 京浜急行逸見駅から徒歩10分 |
問い合わせ | 横須賀市上下水道局技術部浄水課 TEL:046-822-2276/FAX:046-822-7894 |
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