太平洋と北の険しい四国山地に囲まれた南国土佐では、その独特の風土から多くの文学者を育んできました。その土佐の文学と文学者を詳細に紹介するのが高知市にある高知県立文学館。高知の文学者を時代やテーマによって紹介する常設展、県内外のすぐれた文学を紹介する企画展などが行なわれています。
寺田寅彦、大町桂月など高知県ゆかりの文学者を紹介
常設展では、土佐の歴史と風土を内包した土佐の文学を「古典文学」、「自由民権運動と文学」、「反骨の大衆文学」、「現代の文学」、「近現代の詩歌」、「高知ゆかりの作家たち」、「寺田寅彦記念室」、「現在の作家」、「宮尾文学の世界」、「常設展企画コーナー」に分けて詳細に解説。
古典コーナーでは『土佐日記』の作者で、国司として土佐国国府に派遣された紀貫之を、近代文学では自由民権の風土が生んだ中江兆民、植木枝盛(自由民権運動の理論的指導者)、坂崎紫瀾(さかざきしらん)、幸徳秋水(こうとくしゅうすい)などの民権文学や、大町桂月(おおまちけいげつ)、田中貢太郎(たなかこうたろう)、田岡典夫、浜本浩などの大衆文学を紹介する文学館。
現代文学では、田中英光、タカクラテル、上林暁、田宮虎彦、小山いと子、大原富枝、安岡章太郎、清岡卓行、宮尾登美子などを紹介し、紹介される文学者は総数40名にも及びます。
名誉高知県人として県民に親しまれている司馬遼太郎は、特別に「高知ゆかりの作家たち」コーナーを設け、『竜馬がゆく』、『功名が辻』を頂点とする長編歴史小説や紀行文『土佐の街道』などを通して土佐を知ることができます。
紀行家として名高く、全国にその足跡を残し、大雪山、竜宮街道などの名付け親にもなっている大町桂月も高知の出身。
高知市永国寺町4-10には生誕の地碑が建てられているので寄り道を。
高知県立文学館 | |
名称 | 高知県立文学館/こうちけんりつぶんがくかん Kochi Literary Museum |
所在地 | 高知県高知市丸ノ内1-1-20 |
関連HP | 高知県立文学館公式ホームページ |
電車・バスで | とさでん交通高知城前下車、徒歩4分 |
ドライブで | 高知自動車道高知ICから約5.5km |
駐車場 | 高知公園駐車場(65台/有料) |
問い合わせ | 高知県立文学館 TEL:088-822-0231/FAX:088-871-7857 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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