阿伏兎観音(磐台寺)

阿伏兎観音(磐台寺)

広島県福山市、沼隈半島(ぬまくまはんとう)の南端、阿伏兎岬(あぶとみさき)の断崖にそびえ建つ朱塗りのお堂が、阿伏兎観音。正式名は磐台寺(ばんだいじ)の観音堂で、花山法皇(かざんほうおう)の創建と伝えられ、現存する観音堂は元亀元年(1570年)、毛利輝元の再建で国の重要文化財に指定されています。

岩肌に朱塗りの観音堂が鮮やか

古来から航海安全の神様として信仰されてきましたが、室町時代には既に朝鮮の使者の間でも知られる存在で、江戸時代中期に沖乗り航路が開発されると、その分岐点にあたる阿伏兎観音はさらに名を馳せたと伝えられます。

その後、福山藩主・水野勝種が寛文7年(1667年)に堅牢な石垣を築き、鐘楼や回廊を付け、現在に近い姿となっています。
観音堂からは多島海と四国の山並みが一望に。
磐台寺のすぐ近くまで車道が通じていますが、寺関係者以外の駐車場はないのでご注意を。
手前の駐車場に止めて5分ほど海岸沿いを歩くのが正解。

地元では「おっぱい観音」とも呼ばれ、授乳祈願、安産祈願などの「おっぱい絵馬」も用意されています。
「おっぱい寺」、「おっぱい観音」と呼ばれているのは、阿伏兎観音(磐台寺)のほかに、間々観音(愛知県小牧市)、川崎観音(山口県周南市)、乳父観音(福岡県みやま市)があります。

広重の描いた阿伏兎観音

阿伏兎観音(磐台寺)
『六十余州名所図会』「阿武門観音堂」/歌川広重

歌川広重が晩年に描いた『六十余州名所図会』(五畿七道の68ヶ国と江戸からそれぞれ1枚ずつの名所絵69枚に、目録1枚を加えた全70枚からなる名所図会)の山陽道・備後国は、「阿武門観音堂」です。

阿伏兎観音(磐台寺)
名称 阿伏兎観音(磐台寺)/あぶとかんのんばんだいじ
所在地 広島県福山市沼隈町能登原1427-1
関連HP 福山観光コンベンション協会公式ホームページ
電車・バスで JR福山駅から鞆鉄バス鞆の浦行きで20分、鞆の浦下車、タクシーで10分
ドライブで 山陽自動車道福山東ICから約20km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 阿伏兎観音(磐台寺) TEL:084-987-3862
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
阿伏兎観音(磐台寺)

阿伏兎観音(磐台寺)

広島県福山市、沼隈半島(ぬまくまはんとう)の南端、阿伏兎岬(あぶとみさき)の断崖にそびえ建つ朱塗りのお堂が、阿伏兎観音。正式名は磐台寺(ばんだいじ)の観音堂で、花山法皇(かざんほうおう)の創建と伝えられ、現存する観音堂は元亀元年(1570年

 

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