米騒動の日(7月23日)

教科書にも必ず載っている「米騒動」。大正時代に米価上昇にたまりかねた1道3府32県の庶民がおこした国民的な騒動です。その発端となった地が、富山県の魚津市です。

米騒動の発祥は富山県だった!

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魚津の米騒動モニュメント

大正7年7月23日、北海道への米の輸送船・伊吹丸が魚津町に寄港した際に、米価高騰に苦しんでいた漁師の主婦ら46人が、米の積み出しを行なっていた大町海岸の十二銀行の米倉庫前に集結。
「米の値段が高くなるのは、県外に越中米を移送するから地元に米がなくなるのだ!」と、米の積み出し中止を要求。この騒動のためついに米の搬出は中止されたのです。
「魚津町にては、米積み込みの為客月一八日汽船伊吹丸寄港にに際し細民婦女の一揆が起こり狼煙を上げたる」(『高岡新報』)
 

主婦が押しかけた米倉が現存

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米騒動発祥の地・米蔵

近代史に名を残す米騒動。その米騒動が起こった現場に、当時の建物が現存するケースは、旧十二銀行米倉のみ。地元魚津市は、大正7年に米騒動が起きた7月23日を「魚津米騒動の日」として観光活性に活用しようと考えています。
米騒動の起こりに関しては、同時期に中新川郡東水橋、富山市中長江などでも発生しているために、明快にここが発祥ということにはなりませんが、その時と同じ建物が現存するというのはまさに奇跡というワケなのです。
ちなみに『水橋町(富山県)の米騒動』(富山市・桂書房/井本三夫著)には、「富山県米騒動は七月初めに水橋町で始まった」と記されています。
 

寺内内閣が8月2日にシベリア出兵を宣言したこともあって、買い占め・投機を目的とした米の売り控えは加速し、神戸米会所における相場では、7月2日に1升34銭3厘だった相場が、8月1日には40銭5厘、8月9日には60銭8厘と急騰しています。
魚津で起こった米騒動では、米の移送を阻止したばかりでなく、当時1升40銭から50銭の相場だった米を35銭で販売させています。

 

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