小湊鐵道で、国鉄型気動車キハ40系が活躍中!

国鉄型気動車キハ40系

SAL引退後の鉄道の「無煙化」、スピードアップを牽引した国鉄型気動車。国鉄が昭和52年~昭和57年にかけて888両が製造されたローカル線向け気動車が、キハ40系。かつてはローカル線で活躍したキハ40系も全国の鉄路から姿を消し、関東地方では、小湊鐵道でのみ定期列車で運用されるのみとなっています。

キハ40系は絶滅危惧種の国鉄型気動車

現役世代にとってレトロ気動車の代表格でもあるのが急行用気動車キハ58系、特急用のキハ80系・キハ181系、そしてローカル線で活躍したキハ40系。
キハ58系は、いすみ鉄道で令和4年11月27日に定期運行を終了して絶滅、キハ80系は平成21年3月にキハ181系も平成24年姿を消し、残される絶滅危惧種は、キハ40系ということに。

というわけで目下、「撮り鉄」の間で話題沸騰中なのが姿を消すのも近いキハ40系。
北海道から九州まで全国津々浦々のローカル線で活躍した国鉄が生んだ傑作気動車、「ローカル線の顔」といえる存在で、地元、旅先で見たことのある現役世代が多いのも人気の秘密。
そして若い世代には昭和レトロを象徴する車両(気動車)になっているのです。

昭和62年4月1日の国鉄分割民営化時にはJR旅客6社に887両が引き継がれましたが、JR東海がキハ25形を投入したように、新世代のローカル線向け車両に置き換わり、JR東日本では令和3年3月のダイヤ改正でキハ40系の普通列車は絶滅。
観光列車に改造され、かつての姿すら想像できなくなった「リゾートしらかみ・くまげら編成」(JR東日本秋田車両センター所属)、「びゅうコースター風っこ」(JR東日本小牛田運輸区所属)、キハ40系の外観を残す「越乃Shu*Kura」(JR東日本新潟車両センター所属)が運行されるのみとなっています。

小湊鐵道では5両が活躍中!

国鉄型気動車キハ40系

そんななかで、キハ40系が現役で活躍するのが小湊鐵道(五井駅〜上総中野駅間・39.1km/上総中野駅でいすみ鉄道に連絡)。
国鉄キハ20形に準じたキハ200形が運用されていましたが、その老朽化に伴ってJR東日本から5両のキハ40形を譲り受け、令和3年から運転を開始、首都圏に近いことで注目を集めています。
鉄道車両の新造はローカル私鉄にとってはリスクが大きいということ、これまでの整備技術を活かせる(主力車両のキハ200形気動車は、国鉄キハ20形に準じた設計)ということもあってキハ40系が導入されたのです。

両運転台、カミンズエンジン換装、コイルばね台車、機関直結式冷房の搭載という小湊鐵道の条件に合致した車両5両を購入、外装の傷みが大きかった3両は再塗装が施され、残る2両は購入時のままオリジナル色のたらこ色に再塗装ということで、カラフルな4種類のカラーリングで運用されています。

  • キハ40 1 昭和54年6月7日 富士重工業製造 座席が1列+2列 小湊鐵道色(クリーム+朱色)
  • キハ40 2 昭和54年6月7日 富士重工業製造 納入時の濃淡のグリーンライン塗装
  • キハ40 3 昭和54年5月25日 富士重工業 納入時のたらこ色(オリジナル色)に再塗装
  • キハ40 4 昭和54年5月25日 富士重工業 クリーム色に緑色のストライプに塗装
  • キハ40 5 昭和54年5月25日 富士重工業 納入時のたらこ色(オリジナル色)に再塗装


原形に近い姿で運転されることから「撮り鉄」、「乗り鉄」ともに評価が高く、昭和レトロということもあって旅行者にも「懐かしい」、そして旅を感じるクロスシートも好評です。

小湊鐵道沿線には養老川流域田淵の地磁気逆転地層(国天然記念物チバニアン)くらいしか大きな観光スポットはありませんが、のどかな沿線風景、カフェや食堂を兼ねた駅舎など、鉄道そのものが旅の目的地になっています。

小湊鐵道で、国鉄型気動車キハ40系が活躍中!
関連HP 小湊鐵道公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ