日本で一番広い川幅はどこかご存じでしょうか?
日本一流域面積が広い河川は利根川なので、当然、利根川の流域と思いきや、正解は荒川。
しかも利根川の流域面積の4分の1の面積という埼玉県、鴻巣市(こうのすし)と吉見町にまたがる場所です。
川幅といいながらほとんどは河川敷だった!
「平成20年2月、国土交通省荒川上流河川事務所の調査で、鴻巣市滝馬室と吉見町大和田との間を流れる荒川の川幅が全国最長と確認されました。『川幅日本一』というポールが鴻巣市側の御成橋のたもとと、吉見町の堤上に立っています」
とは、鴻巣市観光協会の解説。
鴻巣市と吉見町の間を流れる荒川の川幅の最大は、2537m。実は、実際の川幅(水部=地図などで青く表示される水の流れる部分)は荒川の中流部ということもあって、わずかに30m。下流の川口市などよりもうんと水量も少なく、川幅も狭くなっています。
実際に「川幅日本一」というポールの立つ御成橋のたもとに立っても、ぜんぜん荒川の水面、つまりは川の流れは見えません。
「川幅日本一」というポールが立つのは御成橋のたもとですが、国土交通省荒川上流河川事務所が日本一広い川幅と認定したのはそこから630m上流に行ったところ(河口から62kmの地点)です。河川敷には麦畑や水田などの農地が広がっています。
鴻巣には8つの日本一が
国土交通省は河川敷を含めた両岸の堤防間を「川幅」と定義しています。
河川敷が農地になっているような場所でも、「川の一部」と見なされ、堤防間が2537mあることから「川幅日本一」と認定されたのです。
ちなみに全国2位は、吉野川(徳島県阿波市)の最長川幅2380m。
どうしてそんなに広大な河川敷が必要かといえば、荒川下流の東京の洪水防止を目的に貯水機能を考えて幅広い川幅が設定され、堤防が大正時代から昭和初期に造成されたとのこと。広大な河川敷はいざという時には巨大なプールとなる設計というワケなのです。
「川幅日本一」の鴻巣側の起点となる荒川堤防上から河川敷へと続く道路は車の走行は不可。河川敷は荒川堤ウォーキングコースとなり、上流の吹上まで、5月にはポピー、10月にはコスモスを眺めながらのハイキングも楽しめます。
また、吉見屋製麺、鷲見製麺所では「川幅うどん」を売り出すことに始まり、川幅パスタ、川幅ラーメンなど幅広い麺類でB級グルメ&町おこしに参戦。ついには川幅餃子、川幅海鮮丼、さらには川幅スイーツまで、悪のりかというくらいに「こうのす川幅グルメ」で押しています。
鴻巣には現在、8つの日本一があります
(1)荒川の川幅日本一(2537m)
(2)水管橋の長さ日本一(1100.95m)
(3)ピラミッドひな壇の高さ日本一(31段・7.0m)
(4)1分あたりの尺玉以上の花火打上数日本一(1分間平均約75.5発)
(5)ポピーの栽培面積日本一(12.5ha)
(6)サルビアの出荷量日本一
(7)プリムラの出荷量日本一
(8)マリーゴールドの出荷量日本一
余談ですが埼玉県は、利根川や荒川を抱え、県土に占める河川面積が3.9%でこちらも日本一となっています。
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