京都府舞鶴市の田園地帯を流れる鹿原川の上流にある真言宗東寺派の古刹が金剛院(こんごういん)で、鹿原山慈恩寺金剛院が正式名。天長6年(829年)、高岳親王(たかおかしんのう/平城天皇の第三皇子で空海の弟子)が建立したと伝わる名刹で、諸国行脚の末にこの地を密教の霊地に定め高野山から弁財天を勧請し創建。
鶴亀の庭は細川幽斎の作庭
鹿原山という山号は、高岳親王が白鹿の導きでこの地に辿り着いたことから。本尊の波切不動明王は、永保2年(1082年)、白河天皇の病気平癒祈願のために比叡山無動寺から勧請されたもの。
秘仏で2月3日の節分会の法要の間だけ開帳されています。
境内には国の重要文化財に指定される三重塔がそびえていますが、白河天皇の寄進(現存する三重塔は室町時代の再建)。
慈恩寺という寺号はこのとき白河天皇から賜ったもの。
鶴亀の庭は、丹後宮津を治めた細川幽斎(ほそかわゆうさい/近世歌学を大成させた当代一流の文化人、肥後細川家の礎)の築庭と伝わる名園(心種園公園 内の池の中島と三尊石組は、細川幽斎が田辺城内に築いた大名庭園の一部です)。
鶴亀石組、須弥山石組、枯滝石組、礼拝石などがありますが、萬福寺(島根県益田市)の雪舟庭園と似ているのは、天正15年(1587年)、豊臣秀吉の命による九州平定・島津征伐で九州に出向いた際に、萬福寺に寄り道して参考にしたものと推測できます。
美しい楓も細川幽斎が植栽したもの。
宝物殿には、平安時代の「阿弥陀如来座像」、鎌倉時代の名仏師快慶の代表的な名品「深沙大将立像」が展示されています。
また、樹高26mの「千年ガヤ」はカヤの木としては京都府内随一の巨木で、樹齢はおよそ1000年。
三島由紀夫の代表作の一つ『金閣寺』にも金剛院が登場しますが、モチーフとなった金閣寺放火事件(昭和25年7月2日)を起こした見習い僧侶・林承賢(本名・林養賢)は舞鶴市の出身。
金剛院 | |
名称 | 金剛院/こんごういん |
所在地 | 京都府舞鶴市鹿原595 |
関連HP | 舞鶴観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR松尾寺駅から徒歩20分、JR東舞鶴駅からタクシーで20分。または東舞鶴駅から京都交通バス高浜線(本数は少ないので注意)で12分、鹿原下車、徒歩16分 |
ドライブで | 舞鶴若狭自動車道舞鶴東ICから約4.5km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 金剛院 TEL:0773-62-1180/FAX:0773-64-2122 |
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