奈良時代の末期、宝亀元年(770年)に光仁天皇(こうにんてんのう)の勅願により創建した古刹が三室戸寺(みむろとじ)で本山修験宗の別格本山。天皇・貴族の崇拝を集め、西国三十三所第10番札所にもなっている。5000坪の大庭園には四季の花が咲き、「花の寺」との別名も。とくにツツジ、アジサイ、蓮(ハス)が有名。
花の名所として名高い西国三十三所の観音霊場
宝亀元年(770年)、光仁天皇の勅願により南都・大安寺の僧・行表が創建(当初の寺名は御室戸寺)。
戦国時代に足利義昭に加勢したため、織田信長軍の焼き討ちで往時の堂宇を失っています。
本尊の千手観音立像は秘仏。
秘仏の千手観音立像が安置される本堂は文化11年(1814年)の再建。
元禄17年(1704年)築の三重塔は、兵庫県佐用郡三日月村(現・佐用町)の高蔵寺にあったものを明治43年に買い取って移築したもの。
池泉回遊式庭園や枯山水庭園からなる与楽園は、5000坪の広さがあり、四季の花や紅葉を愛でることが可能。
4月下旬〜5月上旬にキリシマツツジ、ヒラドツツジなど2万本のツツジが香る「つつじ園」、6月に30種、1万株が咲くアジサイ園、6月下旬〜8月上旬に古代蓮など100種、200鉢が極楽浄土を現出する「蓮園」と必見のものばかりです。
古来から「三室戸の紅楓」と称せられる紅葉は、11月中旬〜12月上旬が見頃。
宝物殿には寄木造りの阿弥陀如来像、脇侍の観音、勢至菩薩や釈迦如来像など平安時代の仏像を安置し、毎月17日に公開されています。
「勝運祈願の宝勝牛」もお見逃しなく!
富右衛門という百姓が飼っていた弱々しかった牛が三室戸寺に詣でたところ地域一番の権兵衛の牛に勝ち、報奨金をもとに牛の仲買人として成功したという逸話をモチーフにつくられた「勝運祈願の宝勝牛」。
牛の寝姿の像ですが宝勝牛がくわえている牛玉の観音様に触れると、勝運に恵まれるとの言い伝えが。
さらに牛の腹には小さな覗き窓があり、そこから胎内におさめられた牛の木像を拝むことができます。
先の見通しがよくなる縁起物で、財運・出世・勝運・良運の「蓮根御守」も授与品として人気があります。
輪切りとなった蓮根型というユニークなお守り。
ちなみに元横綱・若乃花は平成10年の春場所直前に絵馬を奉納し、見事優勝を成し遂げたとか。
三室戸寺 3つのチェックポイント
奈良時代創建の古社
「花の寺」の別名もありつつじ園は関西屈指の規模
勝運祈願で勝利を引き寄せよう!
西国三十三所霊場間の距離・時間
9番・興福寺南円堂(奈良市登大路町48) — (32km/55分) — 10番・明星山三室戸寺(京都府宇治市莵道滋賀谷21) — (14km/30分) — 11番・上醍醐 准胝堂(醍醐寺/京都府京都市伏見区醍醐東大路町22)
※距離と時間はルートや交通状況により変動するため、およその目安です
三室戸寺 | |
名称 | 三室戸寺/みむろとじ |
所在地 | 京都府宇治市莵道滋賀谷21 |
関連HP | 三室戸寺公式ホームページ |
電車・バスで | 京阪宇治線三室戸駅から徒歩15分 |
ドライブで | 京滋バイパス宇治東ICから約2km |
駐車場 | 三室戸寺駐車場(300台/有料) |
問い合わせ | 三室戸寺 TEL:0774-21-2067 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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