仁和寺の本尊である阿弥陀三尊を安置する堂が金堂。慶長年間造営の御所・内裏紫宸殿(ししんでん)を寛永年間(1624年〜1643年)に移築されたもので国宝。徳川家の御大工(おんだいく)といわれた江戸幕府大工棟梁・中井正清(なかいまさきよ)の普請によるもの。世界遺産に登録の仁和寺を象徴する建物になっています。
仁和寺に移築された現存する最古の紫宸殿は、中井正清の普請
現存する最古の紫宸殿であり、当時の宮殿建築を伝える建築物として、貴重。
建設当初の屋根が檜皮葺き(ひわだぶき)でしたが、現在は瓦葺き(かわらぶき)に変わっているものの、紫宸殿時代の造りを今に伝えています。
窓の日差し避けには蔀(しとみ=格子を取り付けた板戸)が用いられています。
金堂の堂内は四天王像や梵天像が安置され、壁面には浄土図や観音図などが極彩色で描かれています。
中井正清は、「何事も御普請方之儀、大和次第」というほど家康の信任がありました。
京都御所の造営、名古屋城の建設、大仏殿の再建などを並行して行なうなど、その管理手腕も評価される中井正清ですが、江戸時代初期に手掛けた城、寺社、宮殿のうち、現存するのはこの金堂(旧紫宸殿)と久能山東照宮社殿(拝殿・石の間・本殿/国宝)、世良田東照宮(初代日光東照宮の社殿を移築)くらいのもの。
内裏紫宸殿の母屋と北廂との境に立てられた間仕切(賢聖障子)に描かれた『賢聖障子絵』(けんじょうのそうじえ/仁和寺蔵)」は、中央部分に一対の松と、獅子・狛犬が配置されて、その左右に中国古代の賢人聖人たち32人が描かれたもので、国の重要文化財に指定されています。
仁和寺に下賜された紫宸殿に設えられていたもので、現存最古の賢聖障子絵です。
前漢・武帝の時代の仙人(道教の思想)で、亀仙人、亀乗り仙人とも通称されています。
大きさ3尺の亀に乗っていますが、亀は3000年に一度、水面に顔出すとだけいわれ、黄安仙人はその亀を5回見たそうで、永遠の象徴となっているのです。
北野天満宮拝殿、二条城唐門、日牟禮八幡宮(近江八幡)の山門などにも黄安仙人が彫られています。
仁和寺・金堂 | |
名称 | 仁和寺・金堂/にんなじ・こんどう Kondo(main hall),Ninnaji Temple |
所在地 | 京都府京都市右京区御室大内33 |
関連HP | 仁和寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR京都駅から市バスで45分、御室仁和寺下車、徒歩1分で仁王門。または京福北野線御室駅から徒歩3分で仁王門 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約11km |
駐車場 | 仁和寺駐車場(200台/有料) |
問い合わせ | 仁和寺 TEL:075-461-1155/FAX:075-464-4070 |
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