正寿院・猪目窓

猪目窓

京都府綴喜郡宇治田原町にある高野山真言宗の寺、正受院(しょうじゅいん)。快慶作という不動明王坐像(国の重要文化財)を安置する寺としても知られていますが、注目は客殿の猪目窓(いのめまど)と160枚の天井画。ハートを思わせる形ですが、猪目とは猪(いのしし)の目に由来し、魔除けや福を招く護符の意味合いがあります。

ハート型の窓は四季を感じさせ、則天去私へと導く入口に

猪目窓

猪目窓と見事な天井画のある客殿は、我を忘れ、自然の一部であることに気づける場所であってほしいという願いを込め、夏目漱石が晩年に理想とした心境である則天去私(そくてんきょし)から「則天の間」と名付けられています。
「則天の間」が完成したのは平成29年3月のことで、自然を感じてほしいという副住職・久野村大寛(くのむらだいかん)さんの願いから、あえて神仏を祀っていない空間となっています。
そのため、火事になどに遭った際に「神仏を祀らなかったから」という後悔が生まれるのではという躊躇(ちゅうちょ)もありましたが、担当した大工が、魔除けとしての日本建築の伝統である猪目を活かすことを提案、素敵な空間が生まれたのです。

自然に身体を委ねて川や風、鳥のさえずりなどの音を聞こうという姿勢は、境内に2000個の風鈴が吊られる『風鈴まつり』(6月1日~9月18日)、庭を見ながら自然や風を感じる『ヨガ体験』(随時開催)などにも通じるものがあります。

猪目窓は、ハート型(猪目)に庭の風景を取り入れるため、春は桜のピンク、初夏には新緑の緑、秋は紅葉の赤、冬は雪景色の白が印象的で、四季の移ろいを感じ取ることができます。
8月20日~9月中旬頃の16:00前には、客殿に光が入りハート型(猪目)が描かれます。
こうして猪目窓を通し五感で自然を感じ、則天去私への道が生まれるということに。

「畳の上に寝転んでいただいて構いませんよ」ということなので、ゴロリと横たわって日本画家や大阪芸術大学の学生など、100名ほどが参加して完成させた天井画の鑑賞を。
授与品として水引猪目(ハート)お守もあるのでお見逃しなく。

正寿院・猪目窓
冬の猪目窓は、雪景色
正寿院・猪目窓
名称 正寿院・猪目窓/しょうじゅいん・いのめまど
所在地 京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
関連HP 正寿院公式ホームページ
ドライブで 京滋バイパス宇治西ICから約19km、新名神高速道路信楽ICから約21km
駐車場 60台/無料
問い合わせ 正寿院 TEL:0774-88-3601
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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