二条城 二の丸御殿・遠侍(国宝)

二条城・二の丸御殿遠侍勅使の間

京都御所の守護と将軍上洛時の宿泊所として造営された二条城。将軍の宿泊所として建てられた御殿が、二の丸御殿です。その入口部分の建物が遠侍(とおざむらい)。車寄せがあり、その奥に、一の間、二の間、三の間、芙蓉の間、若松の間などがあり、最奥が勅使の間(ちょくしのま)となっています。

日本で唯一「勅使の間」が現存!

二条城・二の丸御殿遠侍
車寄の付いた遠侍

遠待は来殿者が控える場所で、従者の数が多いことから二の丸御殿でも最大の建物。
来殿者が最初に立ち入るこれらの部屋が三の間ですが、描かれた襖絵から「虎の間」とも称されています。
獰猛な虎の絵は徳川家の権力の象徴といわれ、まずはここで将軍家の権威を示したということに。

最奥部にある勅使の間(TOPの画像)は、朝廷からの勅使(使者)を迎えた対面所。
勅使の間は、上段の間、下段の間に分かれた2間ですが、天皇の使者である勅使は上段の間に通されたのです。

3代将軍・徳川家光の治世には朝廷との関係が悪化し、家光自身の上洛して二条城に滞在していますが、この勅使の間が使われたと推測できます。
障壁画には、優美な檜や青楓などが描かれ、見事です。

勅使の間、若松の間、芙蓉の間、柳の間などはそれぞれ植物の名が付くように植物を題材とした障壁画などが配され、公家向けの優美な空間となっています。
二条城が朝廷に向けた幕府の窓口(接待施設)としても機能していたことがよくわかるのがこの遠侍です。

日本の城郭のなかで、勅使の間が現存するのは、二条城だけ。

二条城 二の丸御殿・遠侍(国宝)
名称二条城 二の丸御殿・遠侍/にじょうじょう にのまるごてん・とおざむらい
所在地京都府京都市中京区二条通堀川西入ル二条城町541
関連HP元離宮二条城公式ホームページ
電車・バスで地下鉄東西線二条城前駅下車、徒歩2分で東大手門。JR京都駅から市バスで17分、二条城前下車、徒歩1分で東大手門
ドライブで名神高速道路京都南ICから約7.7km
駐車場第1駐車場(120台/有料)、第3駐車場(20台/有料)
問い合わせ二条城 TEL:075-841-0096/FAX:075-802-6181
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
二条城・二の丸御殿

二条城・二の丸御殿

京都府京都市中京区、徳川家の栄枯盛衰を今に伝えるのが世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産にもなっている二条城です。二の丸御殿は、東大手門から入城し、唐門をくぐった先にあるのが二の丸御殿。後水尾天皇の二条城行幸に備え、寛永3年(1626年)

二条城

徳川家康が京都の守護と上洛時の宿泊場所として1603(慶長8)年に築造し、3代将軍・徳川家光が伏見城の遺構を移すなどして1626(寛永3)年に完成したのが二条城(元離宮二条城)。1867(慶応3)年に15代将軍・慶喜が大政奉還を行なうまで京

よく読まれている記事

こちらもどうぞ