観音崎灯台✗ 観音埼灯台◯ 日本の灯台はなぜ「埼」を使う!?

観音崎に建つのは観音埼灯台、犬吠崎も犬吠埼灯台・・・。日本全国、どこに行っても〇〇崎にある灯台は〇〇埼灯台。どうして一般的な崎ではなく、あえて埼を使うのでしょう? 山崎さんは全国に47万人もいますが、山埼さんは、およそ10人ほどしかいません。海上保安庁に聞くと、明快な答えが!

「海軍=海図、陸軍=地図」という関係が埼と崎の違い

「崎」は平野の中に突出した山地の鼻を表す言葉、それに対して、「埼」は、陸地(平地)が水部へ突出したところを表現する言葉、 海図を作っている海上保安庁海洋情報部では、漢字の意味からも地形が判る「埼」を採用していますーというのが、灯台を管轄する海上保安庁の公式表明。

国土地理院の地形図は、犬吠埼などもともとの地名が埼という例外を除いて観音崎、野島崎など岬の先端も崎を使っているので、野島崎の野島埼灯台となってしまうのです。

海上保安庁と国土地理院では、「地名等の統一に関する連絡協議会」を昭和35年に発足させていますが、海図では野島埼、観音埼と「土遍」で記載されています。
国土地理院は前身となる陸軍陸地測量部が山遍の「崎」を使用していたことに対し、海上保安庁は前身の海軍水路部が「埼」にこだわったため、今も国土地理院「崎」、海上保安庁「埼」という相違が続いているのです。

まさに陸軍VS海軍の関係が、戦後もずっと続いているということに。
崎は、緑が茂った半島のイメージで、埼は木の生えない岬というのが、漢字の語源ですが、海軍には古い言葉に精通し、言葉にこだわる担当者がいたということになります。

ちなみに埼と地名に使うことも珍しく、県名に採用の埼玉(埼玉郡に由来)は非常にレアなケースで、市も神埼市(佐賀県)のみ。
宮崎もかつては宮埼(宮埼郡)と表記しましたが、今では宮崎です。

観音崎灯台✗ 観音埼灯台◯ 日本の灯台はなぜ「埼」を使う!?
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