森林鉄道が最盛期の全国の総延長距離は8000km以上。国鉄の最盛期が2万kmなので、いかに林鉄と呼ばれた森林鉄道が、輸送力となっていたのかがわかります(その一部は旅客輸送も実施)。西日本で、往時の機関車を再生、森林鉄道を復元させている路線は3路線あるので、一度ぜひ乗車を!
赤沢自然休養林|長野県
かつては=木曽森林鉄道(総延長500km、うち小川線19.4km/上松運輸営林署)


所在地:長野県木曽郡上松町小川
軌間:762mm(ナローゲージ)
運行距離:1.1km(往復)
内容:昭和62年夏に渓流沿いの景勝地を走る路線を復活。
客車を牽引するのは、実際に森林輸送で活躍したディーゼル機関車で、森林鉄道記念館から上流側にある丸山渡(まるやまど)の間を往復。
木曽森林鉄道の象徴ともいえるボールドウィンB1タンク機No1、往時のディーゼル機関車(酒井製)も保存されていますが、実際に客車を牽引するのは、北陸重機製の5tディーゼル機関車で、観光運行用に新造されたもの。
森林鉄道の走る渓谷沿いにはふれあいも道(バリアフリーの木道)も整備。
歴史:総延長500kmを誇った木曽森林鉄道で、赤沢自然休養林内に残される軌道は、中央本線・上松駅〜赤沢の木曽森林鉄道小川線(小川森林鉄道/19.4km)の一部。
木曽森林鉄道は、日本三大美林に数えられる木曽の木材を搬出するため大正5年に開業。
中央本線が明治43年10月5日、上松駅まで延伸したため、木材を筏(いかだ)による川流し(木曽節の「木曽のなかのりさん」で有名)を廃止し、森林鉄道の輸送に転換。
高度成長時代にトラック輸送に転換、木曽森林鉄道小川線も昭和50年5月30日にさよなら運転を実施。
往時には走る床屋の「理髪車」などもあり、山奥の集落の足、そして生活に密着していました。
波賀森林鉄道|兵庫県
かつては=波賀森林鉄道(総延長45km/山崎営林署)


所在地:兵庫県宍粟市波賀町上野「フォレストステーション波賀」内
軌間:762mm(ナローゲージ)
運行距離:678m(往復)
内容:波賀森林鉄道の廃線跡はサイクリングロードなどに転用されていましたが、「波賀元気づくりネットワーク協議会」は、波賀森林鉄道開業100周年を記念して、線路の整備と機関車の購入などに尽力。
北陸地方整備局立山砂防事務所が立山砂防工事専用軌道で使っていたディーゼル機関車(北陸重機工業製)を宍粟市が競売で落札したものを利用し、「フォレストステーション波賀」に整備した総延長678mの周回コースに走らせています(駅舎はクラウドファンディングで建設)。
歴史:大阪営林局のドル箱として活躍し、地元で「林鉄」(りんてつ)と呼ばれたのが波賀森林鉄道(山崎営林署管轄)。
当初は、人車軌道、馬車鉄道(冬季は馬そり)などで搬出していましたが、第一次世界大戦中の大正5年に本線が開業、昭和22年の万ケ谷林道、かんかけ支線の開通まで発展を続けますが、昭和30年代にトラック輸送への転換が始まり、昭和43年7月15日、音水国有林内の音水線の廃止で全廃となりました。
昭和28年にはディーゼル機関車11両を保有し、大阪営林局内では最大の林鉄でした。
魚梁瀬丸山公園|高知県
かつては=魚梁瀬森林鉄道(総延長250km/馬路営林署・魚梁瀬営林署)


所在地:高知県安芸郡馬路村魚梁瀬丸山(丸山公園内)
軌間:762mm(ナローゲージ)
運行距離:400m(周回軌道)
内容:平成元年に魚梁瀬丸山公園に保存されていた野村式のガソリン車(野村式L69号森林鉄道機関車)を修復・動態保存し、谷村鉄工所型3tディーゼル機関車を新造、昭和30年代に走っていた懐かしい客車を復元し、森林鉄道を丸山公園に復活。
野村式L69号機関車は、野村組工作所で製作され、昭和23年5月に大栃営林署、昭和34年3月に魚梁瀬営林署に配車され、昭和39年まで活躍した機関車です。
歴史:明治44年に安田川林道本線(馬路~田野)に軌道を敷設しトロリー運搬が開始されたのが魚梁瀬森林鉄道の始まり。
それまでは河川を利用し、筏で流していました。
大正4年、魚梁瀬線(馬路~魚梁瀬)が開通し、昭和11年、安田川線に馬路村営連絡車の運行を開始。
四国を代表する総延長250kmもの林鉄で、森林資源を搬出していました。
昭和32年、魚梁瀬ダム建設に伴い、森林鉄道の廃止が決定し、昭和39年3月30日全線廃止に。
| 森林鉄道に乗ろう! 西日本篇(3路線) | |
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