テレビCMで話題になった「ベタ踏み坂」は、鳥取県境港市と島根県松江市の県境に架かる江島大橋ですが(島根県側の勾配6.1%)、それに匹敵するベタ踏み度を誇る橋が、関東にもあります。それが埼玉県秩父市、埼玉県と山梨県を直結する国道140号・彩甲斐街道途中の豆焼橋(まめやきばし)です。
関東随一の「ベタ踏み坂」の橋梁が秩父市に
国道140号は、秩父多摩甲斐国立公園の山岳地帯を豆焼橋(220.0m/トラス橋)、カーブを描いた奥秩父トンネル(744m)、雁坂大橋(248.6m/トラス橋)で突破し、雁坂トンネルを抜けて山梨県側へと入ります。
高所に入口がある雁坂トンネルのアプローチ部にあるため、埼玉県(秩父市大滝)側からは上り坂が続いています。
それでも雁坂トンネルは、一般国道における山岳トンネルとしては日本一の長さ(6625m)で、トンネルの長さを短縮するためにも登坂形状の橋が架橋されたのです。
国土地理院の2万5000分の1地形図を見ても分かる通り、秩父市街寄りの橋の入口は1020mほど。
奥秩父トンネル側の出口は1050mほどあって220の橋で30mほど上っていることがわかります(橋梁部分だけの高度差は13.2m=%は100m進んだときに何m上ったのかを表す指標)。
大型トラックの走行が多い道路では、道路構造令で最大勾配4%までが限度とされているので、この6%はトラック泣かせといえるでしょう。
山梨方面に向かって6.0%の上り勾配で、「ベタ踏み坂」で名高い江島大橋と比べてもその差は0.1%しかありません。
北陸など降雪の多いエリアの国道は、最大勾配が6%とされているので、冬季の雪道の限界ともいえる勾配となっています(国道140号は大雪の際には予防的通行止めを実施)。
国道の坂道といえば、国道308号の暗峠は37%という驚異的な坂道ですが、橋に限定すると6%はかなりの「ベタ踏み坂」になります。
関東にも知られざる「ベタ踏み坂」があった! | |
所在地 | 埼玉県秩父市大滝 |
場所 | 豆焼橋/まめやきばし |
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