乗り納め迫るキハ75形「快速みえ」

名古屋駅と伊勢志摩を結ぶ路線は、長らく近鉄の一人勝ちでした。もともと伊勢神宮への参宮鉄道として敷設されたJR参宮線(多気駅〜鳥羽駅)ですが、戦後は電化された近鉄に負け続ける状況に陥っていました。それにわずかながら爪痕を残したのが豪華気動車キハ75形を使った「快速みえ」だったのです。

シートピッチが940mmという車両も!

名古屋在住の人が、桑名、四日市、津、そして伊勢志摩などに向かう場合に、JRを選択する人はあまり多くありません。
近鉄の一択という感じです。

東京や静岡からなら名古屋駅での乗り換えを考慮すればJRということもありますが、通常は近鉄に軍配が上がります。
時間的にも、経済的にも上回っているからです。

JR参宮線もJR東海では屈指の赤字ローカル線ですが、1時間に1本程度運行されて気を吐いているのが「快速みえ」なのです。
「快速みえ」に使われるキハ75形気動車は、「高いグレードと汎用性を兼ね備えた気動車. 非電化区間の競争力強化とスピードアップのために投入された気動車」(JR東海)として1993年〜1999年に製造された車両。

製造当時は、特急形キハ85系に匹敵する最高120km/hというスピード性能を有し、座席も特急並みの転換クロスシート、しかも0番台・100番台は、シートピッチが国鉄時代の特急(910mm)を上回る940mmという豪華な仕様です。
それでいて、乗車券のみで利用でき、「快速みえ得ダネ4回数券」などオトクなきっぷも用意されて、近鉄に対抗してきたのです。

鉄道ファンなら、新幹線からの乗り換えで、気動車独特のエンジン音を響かせる「快速みえ」への乗り換えにはワクワク感に満たされるものがありますが、JR東海は、2028年度から2029年度に後継となるハイブリッド車HC35形に置き換えるとしています。
HC35形は、クロスシートとロングシートが各1両となるので、特急型から通勤型へのスケールダウンともいえ、ちょっとがっかりの内容になっているのです。

乗り納め迫るキハ75形「快速みえ」、乗車して伊勢参宮を、ぜひ。

JR東海らしい豪華さで、のんびりとした列車旅を満喫できます
乗り納め迫るキハ75形「快速みえ」
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

よく読まれている記事

こちらもどうぞ