マクドナルドに次ぐハンバーガチェーンのモスバーガー。1972年6月16日、八百屋の倉庫を借り受けて、わずか2.8坪の広さで開業したのが1号店で、その場所は現在の「モスバーガー成増店」(50周年でリニューアルされています)と同じ場所。看板商品「モスバーガー」は創業期以来の歴史あるメニューです。
1号店開店前の実験店オープンの3月12日は「モスの日」
「テリヤキバーガー」は、1号店ならびに看板商品「モスバーガー」が誕生した翌年の1973年5月15日に販売開始したメニューで、フランチャイズ1号店である名古屋市の新瑞店(あらたまてん)の開店以前に、成増の1号店に登場しています。
ともに50年以上の歴史を誇るメニューで、とくに「テリヤキバーガー」は、その人気ゆえに、他のチェーンなども真似た商品が登場しています。
開店時に配られた1号店のチラシには、「スピードだけが売り物のハンバーガーとはちょっと違います。極上の肉を、新鮮なトマトを、オニオンをふんだんに使った手作りの味です」と記され、創業の心は「感謝される仕事をしよう」でした。
正式な開店は6月ですが、実験店の営業開始は1972年3月12日のため、3月12日は「モスの日」となっています。
ちなみに、「MOS」は、Mountain(山のように気高く堂々と)、Ocean(海のように深く広い心で)、Sun(太陽のように燃え尽きることのない情熱をもって)の意味で、創業者・櫻田慧(さくらださとし)が、人間・自然への限りない愛情と、このような理想の人間集団でありたいという願いを込めて名付けたものです。
1号店は成増、2号店は日大構内に出店
創業者・櫻田慧は、日本大学経済学部を卒業後、日興証券に入社。
浅草支店に配属され、「同期にすごいヤツがいる」と噂されるまでの営業マンに。
その後、ロサンゼルス支店への転属された際、手作りハンバーガー店「トミーズ」に足繁く通ったのが、モスバーガー誕生の原点ともいえる経験です。
証券不況で本店外国部に呼び戻されますが、1965年7月、日興証券を退社。
浅草の皮革問屋、ヒサゴヤの海外進出の担当として転職、後輩の渡辺和男、元日興証券社員の吉野祥を仲間に引き入れますが、ヒサゴヤの台所事情もあり海外進出を断念し、3人は退職。
独立に向けての受け皿として株式会社モスを設立したのです。
1971年7月にマクドナルドの日本上陸を目にした櫻田慧は、銀座にオープンした日本マクドナルド1号店の盛況ぶりを見て、ロス時代に味わった手作りハンバーガー店「トミーズ」を思い出します。
こうして、日本版トミーズとして「手作りハンバーガー」へのチャレンジが始まったのです。
マクドナルド日本1号店開店から半年ほどがたった1972年3月12日、東京・成増駅前のショッピングセンターの地下に実験店がオープン。
成増商店街の八百屋の倉庫を改造した1号店を6月12日にオープンさせ、7月には社名もはモスをモスフードサービスと改称しています。
1972年秋、過労がたたってぎっくり腰で倒れるなどのアクシデントもありましたが、1973年3月に日大構内に出した2号店が繁盛。
FC加盟店の募集を開始し、1973年11月には名古屋市瑞穂区の新瑞橋(あらたまばし)に小林敏美がオーナーとなるフランチャイズ1号店の新瑞店が開店しています。
その後、路地裏の二等地への出店、「テリヤキバーガー」に代表される和風の味付けを重視した商品開発など、櫻田教ともいわれる独自の経営手段で、2024年4月30日現在、国内直営店46、加盟店1268、海外店舗451を数えるビッグチェーンに発展しています。
モスバーガー1号店は、東京・成増にある! | |
名称 | モスバーガー成増店/もすばーがーなりますてん |
所在地 | 東京都板橋区成増12-5 |
関連HP | モスバーガー公式ホームページ |
電車・バスで | 東武鉄道成増駅から徒歩1分、東京メトロ地下鉄成増駅から徒歩3分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | モスバーガー成増店 TEL:03-3975-1582 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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