例年1月中旬に 沖縄県国頭郡本部町で始まるのが『もとぶ八重岳桜まつり』。本部町にある八重岳桜の森公園で「ひとあし、お咲きに。」がキャッチフレーズの日本一早い桜まつりが行なわれます。開花するのは琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)で、寒緋桜の仲間。沖縄ではソメイヨシノは花をつけることができません。
開花宣言よりも早く開花する八重岳の寒緋桜
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ソメイヨシノ(明治初年に人工的につくられたクローン種の桜)など、本州の桜は、開花にあたって冬の寒さが必要です(60日間ほど15度以下の冬の寒さを経験し、休眠打破という状態が生まれます)。
沖縄にソメイヨシノを植栽しても、15度以下という冬の寒さを体験しないため、休眠状態が持続し、開花することはありません。
ソメイヨシノの南限は鹿児島県の種子島で、それより南の島々はカンヒザクラ(寒緋桜)が春を告げるのです。
もともと桜は、ヒマラヤの山中が原産。
進化の過程で東へと海を渡り、沖縄で琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)が咲くのが1月、海を渡って本土に上陸、オオシマザクラ、ヤマザクラなど3月下旬、さらに北海道でチシマザクラが6月〜7月と、進化の旅を続けているのです。
先陣を切って咲く、沖縄の桜は、寒緋桜、オオシマザクラ、クメノザクラ。
琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)も、いったん低温を経験しないと咲かないので、沖縄では本島南部より本島北部の方が早く気温が下がるため、本島北部から琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)が咲き始めます。
そのため、温暖な場所でなく、沖縄本島でも山岳部の本部町、八重岳から桜が咲くということになり、本島北部の開花は、沖縄気象台(本島南部)の開花宣言より、早いことになるのです。
開花宣言よりも早く咲き、まさに「ひとあし、お咲きに。」の桜まつりです。
ちなみに沖縄では桜の下で宴会をするという風習はなく、車社会もあって、ドライブしながら、車内から花そのものを楽しみます。
そのため八重岳でも沿道にも桜が植栽されているのです。
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沖縄で『日本一早い桜まつり』始まる! | |
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