矢田寺

矢田寺

奈良県大和郡山市矢田町、矢田丘陵の中心、矢田山の中腹に建つ日本最古の延命地蔵菩薩(本尊)を安置する高野山真言宗の寺が、矢田寺(やたでら)。万葉の昔より「矢田の里」と呼ばれる地にあるため一般には矢田寺と呼ばれていますが、正式名は金剛山寺(こんごうせんじ)です。

矢田のお地蔵さんとして親しまれる地蔵信仰の中心

大海人皇子(おおあまのみこ=後の天武天皇)が、矢田山で壬申の乱(じんしんのらん)の戦勝祈願を行ない、即位後の白鳳4年(675年)、智通僧上に命じて、七堂伽欄48ヶ坊を造営したのが始まり。
弘仁年間(810年~823年)、金剛山寺中興の満米上人(まんまいしょうにん)は小野篁(おののたかむら)の導きで閻魔庁で閻魔大王に菩薩戒を授け、閻魔大王の案内で地獄を鑑賞し、地蔵菩薩が亡者(もうじゃ)の身代わりとなって地獄の責め苦を受ける姿に出会い、地獄で出会った地蔵菩薩を模して木造地蔵菩薩立像を彫り、本尊にしたと伝わっています。
国の重要文化財である本尊は「矢田のお地蔵さん」として有名で、地蔵信仰の中心的存在です。
本尊・木造地蔵菩薩立像のほか、木造阿弥陀如来坐像、木造閻魔王倚像(奈良国立博物館寄託)、木造司録坐像(奈良国立博物館寄託)、木造十一面観音立像、木造虚空蔵菩薩坐像(矢田寺北僧坊所有)、木造毘沙門天立像(矢田寺南僧坊所有)など国の重要文化財に指定される仏像も多数。
神仏習合時代の鎮守社である春日神社本殿(神仏分離後は、春日神社の管理)も国の重要文化財に指定されています。

「あじさい寺」ともいわれ、例年6月1日~7月10日には「矢田寺あじさい園」が開園、60種1万株のアジサイが咲き誇ります。

矢田寺(金剛山寺)背後の矢田丘陵は「矢田山遊びの森」として整備。
本堂裏山には大正時代に開かれた矢田寺八十八ケ所霊場があり、四国霊場各寺の本尊と弘法大師(空海)を石仏で表し、巡拝をする3.5kmの巡拝コースコースになっています。

さらに霊山寺~東明寺~矢田寺~国見台を結ぶ近畿自然歩道や、矢田峠を経て近鉄生駒線萩の台駅まで歩く「矢田越えの道」、矢田峠から南北に伸びる「矢田の道」などが用意されており、散策にも絶好です。
矢田寺~萩の台駅は3.5km、矢田寺~国見台~松尾寺は2.3km、矢田寺~霊山寺は4.3kmの行程。

矢田寺
名称 矢田寺/やたでら
所在地 奈良県大和郡山市矢田町3549
関連HP 矢田寺公式ホームページ
電車・バスで 近鉄橿原線郡山駅から奈良交通バス矢田寺前行きで20分、矢田寺前下車、徒歩10分
ドライブで 第二阪奈道路中町ICから約6km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 矢田寺 TEL:0743-53-1445
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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